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連載１０８

2011/01/01

網膜色素変性症治療に光明

　作年12月５日の新聞に大阪大学大学院医学系研究科（大阪府吹田市）の不二門尚教授らの研究グループが、「網膜色素変性症」で失明した患者さんの網膜を、微弱な電流で刺激し、視力を回復させることに成功したという記事が載っていました。
６人中５人に効果が確認され、国内での「人工視覚」の成功例は初めてということです。
　
　網膜色素変性症は、目の中のカメラのフィルムにあたる網膜に異常をきたす、遺伝性・進行性の難病です。
網膜は光を電気信号に変える働きをし、この信号が視神経から脳の視覚野へ伝達され、私たちは光を感じることができます。
　
　網膜色素変性症では網膜の中の視細胞という、物の見え方や視野の広さなどに関係した細胞が障害されることが多く、暗いところで物が見えにくい（鶏目〈とりめ〉、夜盲）、視野狭窄などの症状を起こします。
そのため、網膜の視細胞が徐々に消失して、信号が視覚野へ届かなくなり、視力が低下していきます。
　
　そこで不二門教授らは患者の網膜の外側の強膜に刺激電極のチップ（７ミリ四方）を装着し、チップから微弱な電流を流して網膜内にわずかに残った神経細胞を刺激する方法を考えました。

　効果があった５人のうち２人は失明して10年以上になる女性で、そのうちの１人、67歳の女性は、パソコンの黒い画面上に不規則に現れる白色の棒をカメラで見て、位置を指さしたとか。
教授は記事の中で「色の識別は無理でも、白黒がわかれば指の本数がわかるくらいには回復する。患者さんの生活の質は上がる」と話しています。
　
　網膜色素変性症に関しては今年の８月に神戸市の理化学研究所が報告した、この病気の患者さんの皮膚から、人工多能性幹細胞（ｉＰＳ細胞）を作り、視細胞に分化させることに世界で初めて成功したという研究成果も印象に残っています。視細胞の分析から、原因遺伝子の働きが解明できる可能性があり、根本的な治療法につながることが期待されています。
　
　眼科医でもある高橋政代チームリーダーによると、これまでは失明の恐れがあるため、患者の目から視細胞を採取して調べることができず、採血による遺伝子診断では、２割程度の患者の原因遺伝子しか特定できなかったため、その働きは十分に解明されていませんでした。
　
　今回の研究はそれらを解決し、これまでに同意を得た７人分の視細胞を作ることができたのです。
高橋氏は「視細胞から原因遺伝子の働きが解明できれば、それぞれの患者に合った効果的な投薬などを実現させたい」と話していました。
　
　この話題に関しては、２００９年のＥＭ国際会議での、現在鹿児島県中種子クリニックで院長をされている高野良裕先生が網膜色素変性症を克服された講演（医師であるご自分が、この病気に罹患された）も思い出されます。

　網膜色素変性症では明らかに遺伝の関与が認められる患者さんは全体の50％程度で、あとの50％は遺伝の関与が不明であることがわかっています。
高野先生も「最近は中高年になって発病し、遺伝性、家族性の希薄な症例が増加しており、自分の病状もそのケースと思われる」と話しています。
　
　講演内容をまとめますと、『40代の頃から視野狭窄と夜盲の症状が現れ、47歳で東大病院眼科を受診、「網膜色素変性症」と診断される。
眼科の治療では効果が認められなかったが、３年前から開発者の比嘉照夫教授の協力を得て、難病患者に無料提供されているＥＭ飲料を飲用するようになった。そのきっかけは、難病中の難病と言われる、筋萎縮性側索硬化症の患者さんがＥＭ飲料によって改善したさまを目の当たりにしたことからだった。信じられない思いであったが、自分も飲用して２～３週後に眩しさとともに視野の拡大を自覚、以後、１年数か月が経過したが、著しい色覚の改善も自覚している』というものでした。

　難病治療の分野はますます進歩していきますが、ＥＭ飲料の効果もあなどれないものがあると、私は自負しております。
　
　なお、健康・医療に関するご相談は、ＥＭ―Ｘ予防医学研究所までぜひ、ご連絡ください。（℡０４８―４６１―２００９）

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