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連載103 2010/08/01 EM開発者、比嘉照夫先生の功績
 当研究所では2年ほど前から末期がんやパーキンソン病などの難病の方々へ、研究用EM飲料を提供して参りました。 
 
ずいぶん多くの方々から、なぜこのような健康効果の高い飲料を提供できるのかと尋ねられておりますが、実はこの試みは琉球大学名誉教授で、名桜大学・国際EM技術研究所所長、比嘉照夫先生の指導によりEM製品を製造しているEM研究機構からの提供によるものです。

 このコラムでも何度もご紹介しましたが、EM(有効微生物群)とは、28年前に開発された、乳酸菌や酵母などを核とした微生物の集合体で、その安全性や環境に及ぼす有効性については、今や世界各国が認めるところとなり、現在55か国で製造、150余の国々に普及しています。
米国や日本でも飲用として製造が許可され、農林水産分野、環境分野(化学物質、放射能汚染対策も含む)に活用され、土木建築、省エネ、医療健康分野など幅広く応用されています。
 
 以前は否定的な発言をする学者が多数おりましたが、今は農林水産省も効果ありと認めており、EMに関連する全国的な大会にも課長クラスの担当者が出席、有機農業推進法(平成18年)の成立と同時に、さらに積極的な協力関係が保たれるようになってきました。 
 
 比嘉先生ご自身も、農林水産省・国土交通省が提唱する「全国花のまちづくりコンクール」の審査委員長を引き受けておられます。
 
 今回は、比嘉先生と私とのご縁を振り返り、EM普及への足跡を追っていきたいと思います。

 私がEMに興味を持ったのは、市長時代の1992年に岐阜県可児市や香川県高松市を訪れ、EM技術を応用した有機農法や酪農の現場などを目の当たりにし、それを行政が後押ししている実情に感銘を受けたことがきっかけになりました。
その後、和光市に比嘉先生を招き、市民文化ホールで講演会を開催、環境・健康施策の充実へと歩みを進めた経緯は以前にもお伝えしましたが、その頃から現在まで、比嘉先生の善循環型・平和共存社会を目ざす姿勢は一貫して変わらず、EM飲料の無料提供に見られるような、利潤追求より人々の健康・幸福への寄与を第一義とする思想に、私も深く共感し、断ち難い尊敬の念を覚えております。現在も世界各国へ赴き、EMによる農業指導に奔走されていますが、その端緒になったのが、タイでの活動でした。
 
 1989年にタイのコンケン大学で行われたEMの国際会議後に、農業と環境分野の活用が本格的に始まり、エイズの発症予防や消化器系の疾患に顕著な効果があることが明らかになるにつれ、民間の病気の予防や治療法にも活用されるようになりました。
そして病院関係者もEMを積極的に導入、国もそのことを容認したのです。具体的には患者が病院に来ると病気の種類を問わず病院で作ったEM薬草飲料が提供されます。
手術の消毒や手術器具の消毒をはじめ、病院の衛生管理はすべてEMで行います。
食事もEMを添加して作り、洗濯やシャワーなどあらゆる場面で使われます。また、病院の生ごみや廃水をEMで処理し、野菜栽培にも活用しています。
 
 また、ペルーにおけるEMの普及方式は、タイの事例をベースに、生ごみや下肥、家畜の糞尿等を全てEMで処理し悪臭を消し、寄生虫や病原微生物を完全に抑え込んだ後に有機肥料として活用する方法をとっています。
 
 そのほか、エクアドルの大規模なエビ養殖への応用と日本向けに栽培されているバナナ(日本へも農薬を5〜10分の1に抑えた、味の濃いEMバナナとして輸入されている)や、コロンビアの環境、リサイクル、生ごみを活用した野菜や花づくりの活動の話なども、南米に医療調査団の団長として訪れたことのある私には、うれしい成果として比嘉先生から伺いました。
その他の国々や日本での取り組みは次回に報告したいと思います。 

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