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連載８５

2009/02/01

認知症改善効果も期待できるＥＭ―Ｘ

　つい最近、下肢の動脈に血栓（血の塊り）が詰まり、足先に壊疽（えそ）を起こしているというＡさん（84歳の女性）からの相談を受けました。
　
　壊疽とは、化膿したり血行が悪くなったりして、皮膚や皮下組織などの細胞が死んで腐った状態をいいます。細菌の感染や物理的・化学的損傷、血流の減少などが原因と考えられますが、足の場合は指や爪の周り、足の裏、かかとなど、色々なところから発症します。
皮膚が濃い紫色に変色したり、黒いアザのようになってきたら壊疽の兆候と考えられます。
　
　治療が遅れると、足や足の指などを切断しなければならなくなるので、早期の診断・治療が重要です。糖尿病の合併症の一つとしても知られていますが、Ａさんの動脈血栓の原因は不明でした。
彼女の場合、症状が進行しており、痛みもひどく、結局、両足切断を余儀なくされました。
　
　ただ、ＥＭ―Ｘを飲み始めて２週間という短期間で白髪が黒くなり、壊疽特有の悪臭が消えたことが、私には大きな驚きでした。
　
　このコラムでも何度もご紹介しましたが、統計的に、ＥＭ―Ｘを飲用している13人に１人は白髪が黒くなるという結果が出ています。
　
　これは、細胞の老化を防止する効果が高いという証拠のようなもので、Ａさんの事例から、11月に沖縄で開かれた『ＥＭ医学会議』での、アルツハイマー型認知症の改善例を思い出しました。
市販されているＥＭ―Ｘ‐ＧＯＬＤを飲み続けて認知症が改善した報告ですが、老化による脳細胞の萎縮が、強い抗酸化作用によって回復したというのです。
これは白髪が黒くなることからも、大いにありうることであると思われました。
　
　ここで、認知症について少し解説しましょう。
認知症とは、種々の原因で脳細胞が死んだり、働きが悪くなったために様々な障害が起こり、生活に支障が出ている状態（およそ６ヵ月以上継続）をいいます。
　
　最も多いのは、脳の神経細胞が徐々に死んでいく、アルツハイマー病、前頭・側頭型認知症、レビー型小体病などの「変性疾患」と呼ばれる病気です。
次に多いのが、脳梗塞、脳出血などから、神経の細胞に栄養や酸素が行かなくなり、神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れる、脳血管性認知症です。
　
　脳の細胞が壊れると、記憶障害、理解・判断力の低下などの症状が出てきます。周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなり、種々の身体的な症状も出てきます。
とくに血管性認知症の一部では、早い時期から麻痺などの身体症状が合併することもあり、アルツハイマー型認知症でも、進行すると歩行が困難になり、終末期まで進行すれば寝たきりになってしまう人も少なくありません。
　
　ＥＭ―Ｘは血管性認知症改善の効果はもちろんのこと、最近はアルツハイマー型認知症の進行を遅らせる効果があることが認められてきています。
ただ、発症してから時間が長く経過した例には効果があまりなく、早期の症例ほど、改善効果が高いといわれます。
　
　アルツハイマー病の治療薬として、保険適応が認められているのは、ドネペジル（アリセプト）のみです。
昨年の７月には、国際アルツハイマー学会でバピネオズマブ（ＡＡＢ-００１）という新薬の臨床試験が発表されました。
このように、続々と新薬の開発が進んでいますが、まだ研究段階でしょう。
現時点では、早期の認知症にはＥＭ―Ｘをお勧めしたいと思っております。

　毎年、９月21日の「世界アルツハイマーデー」の頃には、全国各地で認知症に関する様々な研修会、講演会などが行われ、認知症への正しい理解の普及のための啓蒙活動が展開されています。
私も常々、患者さんとその家族の大変さを見聞きしてきましたので、地域ぐるみで彼らを支える活動が広がって行くことを期待したいと思います。
　
なお、前号でもお知らせしましたが、朝霞厚生病院に難病外来を開設しました。
治療が困難な病気でお悩みの方は当研究所が窓口になっていますのでご相談ください（担当、金子まで）。（℡０４８―４６１―２００９）

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