米国干ばつ:トウモロコシや大豆が高騰、日本に影響も
毎日新聞 2012年07月22日 10時01分(最終更新 07月22日 12時17分)
米国で干ばつが深刻化し、トウモロコシや大豆の価格が上昇している。国際相場の指標となるシカゴ商品取引所の先物相場は連日、過去最高値を更新。穀物の高騰は幅広い食品の価格に波及する。減速懸念が強まる米経済の更なる下押し要因になる恐れがあるほか、多くの穀物を米国からの輸入に頼る日本への影響も懸念される。
「干ばつは深刻な状況で、穀物への影響は疑いようがない」。ビルサック米農務長官は18日、オバマ大統領との協議後に記者会見し、事実上の非常事態宣言を行った。米海洋大気局によると、米本土の約55%が干ばつ状態となり、56年以降で最悪。穀倉地帯の米中西部などを直撃し、水不足や熱波で作柄が悪化し、トウモロコシは「不良」と「非常に不良」が4割近くに上る。米農務省はこれまでに29州1297郡を、農家への支援が可能となる「災害地域」に指定した。
不作懸念を受けてシカゴ商品取引所では先物相場が急上昇。トウモロコシは1ブッシェル(約25キロ)当たり8ドルを超え、19、20日の2日連続で過去最高値となり、大豆も3日連続で最高値を更新した。「今後の天候次第で更に上昇が続く」(穀物アナリスト)との見方が出ている。