(cache) 田中茂

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連載７９

2008/08/01

世界に広がるＥＭの有効活用

　　　
　前回はＥＭ―Ｘの開発者、琉球大学名誉教授で、名桜大学教授の比嘉照夫農学博士が当研究所を来訪された話を御紹介しましたが、今度は私が７月の初めに沖縄を訪問、ＥＭホテルともいわれる「ホテルコスタビスタ沖縄」に滞在し、隣接の診療所でのＥＭの臨床応用や、種々の有効利用の実際を見てきました。
　
　沖縄のホテルは海沿いに多いのですが、このホテルは山の頂上に建つ、見晴らしのいい２８０室の巨大なホテルです。
40年前にヒルトンホテルとして開設され、その後閉鎖、13年間も放置されていましたが、比嘉教授がＥＭ技術を駆使して改修、みごと再生させました。　
取り壊して新たに建てた方が経済的でしたが、沖縄が日本に復帰した頃に建てられたという歴史的・文化的側面があり、壊した際に出る大量の廃棄物の、環境への悪影響なども考慮されたということで、２００５年、新たに営業が開始されました。
　
　具体的には、ペンキや壁紙を貼る接着剤にＥＭ液を入れてホルムアルデヒドを効果的に抑え、家具や室内空間の備品は製造段階でＥＭ処理を施しました。　
屋上菜園は軽量な廃ガラス発泡資材「ＥＭグラスストーン」を使用し、各種ハーブや葉菜類を栽培。食材としての用途の他、直射日光によるコンクリートの蓄熱を防ぎ、省エネルギー化にも貢献しています。　ホテルの地下には生ゴミをＥＭ肥料に変える装置を置き、厨房から出る生ゴミをリサイクルし、できた肥料はペレット化され、植栽などに使われます。　
外構の植木類は、ＥＭボカシなどによって土づくりをしてから植えられ、日々の施肥管理にもＥＭが活用されています。　
厨房から出る天ぷら油は「廃油石鹸」や、バスのバイオディーゼル燃料としてリサイクルしていました。
　
　さらにほとんどの献立にＥＭ技術で生産された無農薬農産物や抗生物質無使用の肉や卵・牛乳等、安全な食材が使われています。
本格的な「医食同源」を体験できることから「ここのランチは健康にいい」という口コミが広がり、他のホテルの宿泊客や沖縄全土から、１日平均４００人ほどの人々が集まってきます。バイキング形式のランチは１８００円で食べ放題。
多いときには１０００人を数えたということで、実際に、何を食べてもおいしく、その人気の高さもうなずけました。
　
　世界に目を向けると、現在、54か国で、ＥＭの現地製造が行われ、政府が直接協力・支援している国も多く、農業、環境、土木建築などの分野で活用されています。　
ヨーロッパでは、特に畜産廃棄物の処理と農業などに利用され、ベラルーシでは、チェルノブイリの原発事故による放射能汚染処理にＥＭが用いられ、著しい成果をあげています。　
さらに、ハワイとアリゾナにも拠点があり、コスタリカの拠点の提携先「アース大学」には、中南米各地から学生が入学。
地元に戻り、ＥＭ技術の普及に尽力しています。　また、比嘉博士は貧困層の多い、アジア・アフリカ諸国への技術指導に最も力を入れ、比嘉教授の教え子たちを現地に派遣、人々の信頼を集めながら活動を広めているという話にも感心しました。
　
　特にタイ国は、東南アジア、南アジア、さらにはオセアニアへのＥＭ普及基地であり、「アジア太平洋自然農法ネットワーク」というＰＬＯ団体が主導する形で、周辺国への普及活動も行っています。
畜産廃棄物処理、都市ゴミの悪臭対策、有機性ゴミの堆肥化、汚水処理などにも幅広くＥＭが活用されていました。もちろんアフリカ諸国でも南アフリカ、ケニア、エジプトが拠点となり、周辺国を含めて普及活動が熱心に展開されています。
　
　このように医療の分野だけでなく、幅広い分野で、人々の生活に寄与していることを知り、15年前からＥＭの意義に着目してきた私には非常に喜ばしく思え、先見の明があったと自負しております。
　
　私も和光市に４００坪のＥＭ農園を運営していますが、そこで採れた野菜を当研究所で無料配布しております。
電話で有無を確かめたうえお越しください。
　なお、ＥＭ―Ｘ予防医学研究所では健康全般に関するご相談を、随時受付けています。（℡０４８―４６１―２００９）

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