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連載７８

2008/07/01

ＥＭ(有効微生物群)による環境浄化への広がり

　　　
　先日、ＥＭ―Ｘの開発者、琉球大学名誉教授で、名桜大学教授の比嘉照夫農学博士が当研究所を来訪され、ＥＭ談義に花が咲きました。
その際、全国各地で繰り広げられているＥＭによる環境浄化について話題が及び、以前このコラムで御紹介した、東京の真ん中を流れる日本橋川のＥＭによる浄化活動が今も続いていることを知りました。
今年の９月にはハゼ釣り大会が催され、比嘉教授も参加されるということです。
　
　日本橋川のＥＭによる浄化作業は２００６年11月から始まり、12月にはＥＭ活性液製造設備が完成、現在は毎週10㌧のＥＭ活性液が投入されています。　
この活動を支えているのは、50年前から年に一度「日本橋を洗う会」を開催してきた〈名橋「日本橋」保存会〉で、事務局の永森氏は「ＥＭによる浄化作業の事前調査では川底の生物は確認できなかったのですが、２年目の今年は肉眼でも魚影を確認でき、５月に網を入れたところ、ハゼが５匹釣れました」と語り、さらに福祉施設の子どもたちの強力を得てＥＭだんごを作り、やはり定期的に投入しているそうです。
「この活動は継続が何より大事なので、これからも橋と川を末永く守って行きたい」と意気込みを話してくれました。
　
　ちなみにＥＭだんごとは土に有用微生物（ＥＭ）を練りこみ乾燥させた泥だんごで、川底に沈み、微生物の力で川底のヘドロなどを分解浄化し、水質も改善します。
　
　大阪でも大阪湾再生事業として、大容量の釣堀でＥＭ活性液を培養、２週間に一度、２年間で１４００㌧を、淀川や道頓堀川に投入、川底に堆積したヘドロを平均50㌢も減少させました。以前、ＮＨＫテレビでもこの活動が紹介され、ヘドロ状態だった海の干潟が砂浜に変わり、しじみが復活、海底がきれいになった様子が放映されました。
　
　最近の話題では、皆さんもよく御存知の奈良県の東大寺で、汚染が進んでいた池をＥＭで浄化しようという試みが今年の１月から始まっています。
東大寺では解決策を模索中でしたが、これまではどの案も多額の設備投資や維持管理費が必要で苦慮していたそうです。　
そこで奈良市の河川課から、ＥＭを活用し河川を浄化する活動を続けてきたボランティア団体を紹介され、同寺では早速調査・検討を開始、数々の事例について勉強会を重ね、２００７年末にＥＭによる水質改善に取り組むことを決めました。　
奈良市では市内の河川の汚染を、米の研ぎ汁ＥＭ発酵液やＥＭだんご投入などで浄化し、悪臭軽減などの効果を上げていたことから、紹介元となったいきさつがあります。奈良県内のＥＭ活用では、ほかに斑鳩町での生ごみの減量化、生駒市の池の浄化、天理市でも大和川の源流・布留川の浄化を開始しています。　
また、日本最古の神社と言われる大神神社・三輪山（桜井市）でも、一昨年から比嘉照夫教授の直接指導を受け、ＥＭによる土壌改良などを進めてきました。
　
　和光市にも、私が市長時代には水質汚染が深刻だった「越戸川」が流れています。当時私の発案で、ＥＭ活性液を投入し続けたところ、見る間に浄化が進み、魚や川鳥が戻ってきました。　
その活動は「和光の自然環境を守る会」に引き継がれ、今も定期的にＥＭ液肥が投入されています。
今年の６月には環境省より環境美化活動に対しての表彰を受け、嬉しい限りでした。　
最近では鮎の遡上も確認され、また、鯉が群れをなして悠々と泳ぐ姿が見られますので、ぜひお近くの方は、散歩のついでに御覧下さい。
　
　もちろんこれは市民の皆さんに環境浄化活動への関心を持ってもらうためのきっかけとなればと願い、始めた活動です。
一人一人の努力が重なり、地球規模の環境破壊が食い止められるはずですから、ゴミの分別や生活廃水の浄化など、皆さんとともに実践して行きたいと思います。
　
　なお、ＥＭ―Ｘ予防医学研究所では健康全般に関するご相談を、随時受付けております。　（℡０４８―４６１―２００９

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