(cache) 田中茂

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連載７５

2008/04/01

電話相談の事例をもとにしたＥＭ―Ｘの健康効果を本に著す

　私は今年82歳になりますが、医学界のさまざまなトピックスや学問の進歩をつらつら眺めながら今日まで歩んでまいりました。
　
　振り返れば２００１年、市長職を辞した年にＥＭ―Ｘ予防医学研究所を開設し、がんを始めとした難病に関する電話相談をもう８年近く続けています。
　
　今年の５月には相談事例をもとにしたＥＭ―Ｘの健康効果に関する本「私の確信――難病を救うＥＭ―Ｘ（仮）」（メタモル出版）を発行する予定で、現在、校正作業が進んでいます。
　
　中でもがんに関する相談が抜きん出て多いのですが、がんの治療法はここ数年で急激に進歩してきました。
抗がん剤をみても、10年前は全体の一割ぐらいしか効果がなく、強い副作用がありましたが、今は効果が高く副作用の少ない抗がん剤が多数開発されています。
　
　例えば、がん細胞だけを標的として攻撃する分子標的薬があり、分子生物学の進歩により、この分野の開発が急速に進んでいます。　
がん細胞は、正常細胞が悪性に変異し、異常に分化・増殖していく細胞ですから、その仕組みを解明し、増殖できないようにするのが分子標的薬で、乳がんの場合は「ハーセプチン」という名の薬が効果をあげています。
　
　細胞には、増殖をキャッチする「受容体（レセプター）」があり、ハーセプチンは、その受容体に「合い鍵」のようなかたちで先回りして入り込み、それを塞ぐ作用をする薬で、ハーセプチンのおかげで転移が消失した患者さんもいます。
　
　さらに、これまで乳がんにはホルモン療法が効果を示す場合が多く、ホルモン感受性の高い乳がんでは治療の余地がありましたが、効果を示さない場合も多かったのです。
　
　ところがハーセプチンは、これまでは治療手段のなかった、ホルモン療法が効かない乳がんに、効果を示す薬として登場したのです。
これは大きな朗報と言えるでしょう。
　
　また、慢性骨髄性白血病も、グリベックという分子標的薬のおかげで、ここ４～５年の間に、とてもよく治るようになりました。
　
　この病気は、従来はインターフェロンか造血幹細胞移植が治療の中心でしたが、白血病細胞を無限に増殖させる異常なタンパク分子を標的に、飲み薬として開発されたのがグリベックです。臨床試験の段階からグリベックは高い治療成績を示し、当初の有効率は60％と見られていましたが、初発治療に使うと85％の症例に効くといわれます。
　
　インターフェロンでの治療では、１年間毎日注射して約60％の人に有効という報告があります。
しかしグリベックを１日１回服用すれば85パーセントに効果がある。これは驚異的な成果といえるでしょう。
　
　しかも、インターフェロンの場合、発熱や肝臓障害、うつ病などの副作用に苦しむ人が多かったのですが、グリベックには吐き気や筋肉痛、薬疹などの軽い副作用はあるものの、重い副作用は少なく、５パーセントほどといわれます。
　
　このように、今や、ＥＭ―Ｘ以外にも、次々に新しい治療法が開発されてきました。しかしそれだけでがんを完全に克服できるかというと、まだまだ不十分といわざるを得ません。
　
　ＥＭ―Ｘにはそれらを補佐する意義が大きく、いろいろな治療法と併用することで効果を上げていく時代になったのだと痛感しています。
　
　私がＥＭ―Ｘの事例集「蘇るいのち」（綜合ユニコム）を出版したのは１９９６年のことでした。
２年後には「ＥＭ―Ｘが生命を救う」（サンマーク出版）を発行。もう10年以上前のことなのに、ついこの間のことのようにも思えます。
　
　５月に新刊予定の本にはＥＭ―Ｘの開発者でもある琉球大学の比嘉照夫教授が「田中は信念の人である」と一文を寄せてくれました。この本は、私の考え方の集大成とも言えるもので、一人でも多くの方々の健康に寄与することができれば幸甚です。
　
本は全国の書店のほか、当研究所でも購入できます。

なお、ＥＭ―Ｘ予防医学研究所では健康全般に関するご相談を、随時受付けております。（℡０４８―４６１―２００９）

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