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2006
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EM団子による河川浄化活動の広がり
連載 55
2006/07/01
EM団子による河川浄化活動の広がり
前回は大阪市の漁業協同組合や、奈良県桜井市の小学校での環境学習など、EM団子(元気玉、力団子など名称はさまざま)を利用しての、全国各地の環境浄化活動を報告しました。今月はその続編をお届けします。
最初にEM団子の作り方からお知らせしましょう。
まずバケツ1杯の乾燥した土を用意します。
それに市販のEMぼかし500g(もみ殻が入ったものは団子が浮いてしまうので、ふるいで取り除いておく)、EM活性液1 ?(米のとぎ汁で培養したEM発酵液でも可)を入れてよく混ぜ、テニスボールほどの団子を作る。
それを平たい箱に並べ、約10日間発酵させます。
表面に白い菌糸が産毛のようにびっしり生えて乾燥したら完成です。
河川などに投入したEM団子はゆっくり溶けながら、EM(有用微生物群)が持つ抗酸化力や発酵作用によって、ヘドロや悪臭の元のメタンガス、アンモニアなどを分解、浄化します。
EM団子の発酵に時間がかかる場合は温度を上げる。
アオカビが発生したらEM液の量を多めにする。
また、土に雑菌が多い場合は、よく乾燥させることがポイントです。
12mに1個、おおむね1ヶ月に1回ほどの投入が目安となります。
◇日本橋川の取り組み
日本橋川は飯田橋付近で神田川から分岐し、中央区で隅田川に注ぐ約4 . 8kmの川。
この川が流れる千代田、中央両区で今年の1月、EM団子8000個が川へ投入されました。
千代田区の神保町と富士見地区の町会連合会や地元小学生、地元企業の関係者ら約300人が参加し、今後も継続していく計画です。
この活動は昨年の7月と12月にEM団子の投入を行ってきた日本橋周辺の町会が加盟する「名橋『日本橋』保存会」の呼びかけで実現したもの。
連合会の林 勇会長(68)は
「子供の頃(飯田橋の)実家近くに釣り船が出ていた。浄化活動を通じて、川に人々が親しむようになり、屋形船や観光船が往来する、生活に密着した川に戻って欲しい」
と話しています。
◇埼玉県での取り組み
以前から大宮や浦和地区、川越市、秩父市などでEMによる環境浄化活動は行われていますが、最近では昨年から、埼玉スタジアムの調整池をEM活性液とEM団子で浄化する試みが始まりました。
この池では毎年8月に埼玉トライアスロン連合による水泳競技が開催されます。
ただ、一昨年は水が汚く、足がぬるぬるすると苦情が寄せられ、連合では対策に困っていました。
偶然、選手の一人が朝霞厚生病院に隣接した薬局に勤めていて、とんとん拍子に話が進み、厚生病院の協力で毎週100?の培養液を3ヶ月間池に入れました。
EM団子も1000個作って投入。
事前の検査で大腸菌が1c?の水に29個いたのが、投入後は2個にまで減ったことが確認されたのです。
ぬるぬるも減少し、昨年は一昨年よりきれいになった池で水泳競技が行われました。
今年も連合のメンバーの家族が参加してEM団子を作り、今まで年4回、5000個ずつ投入されています。
また、戸田市ではNPO法人の「ピープルネット」が昨年6月よりEMによる生ごみリサイクルを開始、活性液を培養して、ぼかしづくりにも取り組み、協力家庭の生ごみ処理用に配布しています。
この生ごみを発酵分解したものをEM団子にして、排水路や河川に投入してきたところ、スズキ、ナマズ、コイや小魚などが出てくる効果が現れました。
なお、朝霞厚生病院の培養装置で作ったEM活性液は、病院と当研究所でも無料でお分けしています(できましたらペットボトル持参で)。
読者の住む地域で河川浄化活動に関心のある方の具体的なご相談も受け付けています。
お問い合わせなどはEM−X予防医学研究所(TEL 048−461−2009)までご連絡ください。
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