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美・ファイン研究所にて
渡辺サブロオ×小林ひろ美
『シバヤマ美容室』で“シバヤマ式美顔術”を学んでいたところ突然撮影班に指名されて、いきなりカタカナ職業の道へ。 サブロオさん自身「恵まれていた」という青春時代のお話をベースに、いまの時代を語ります。 写真=井手口恵子
構成と文=染谷晴美
美顔術はプロフェッショナルな分野です
小林 先ほど、『シバヤマ美容室』へ入社したのは“シバヤマ式美顔術”が学べるからだった、とおっしゃっていましたけど、その美顔術はどういうものですか? サブロオ フェイシャルマッサージです。といっても、当時はまだエステティックという言葉が浸透していなかったので、“お美顔”といっていました。
ところがある日突然、撮影班に指名されて
サブロオ 当時、『シバヤマ美容室』には撮影班があって、美顔術の理論や技法を全部覚えたころ、そこに呼ばれました。 小林 だんだんいまに繋がりますね。 サブロオ 立木義浩さんたちが出てきて、フォトグラファーをはじめ、いわゆるカタカナの職業が世間に認められはじめた時代です。そのとき僕はまだ20歳。 小林 清らかな若者ですね(笑)。 サブロオ そうそう(笑)。撮影の部門では芝山サチコ先生(現、川邉サチコさん)がメイクアップアーティストとして活躍されていたんですけど、先生は美大出身だったので、メイクの仕方がちょっとちがっていました。やりたいことを自由にやっているというか。たとえば、クレヨンを使ったり。 『カランダッシュ』というスイスの文具メーカーのクレヨンは、赤ちゃんが口に入れても毒ではないんですよ。だからそれをファンデーションに混ぜて、色をつくって、塗って。僕はそこで指づかいを覚えました。
自由な時代から、不自由な時代へ
サブロオ メイクアップアーティストやネイリスト、エステティシャンなどは、これからだんだん許可制になってくるんですけど、昔は全くそういうのがなかった。スタイリストの人がメイクアップをやったり、いろんな組み合わせがあったんですね。自由でした。 それがどんどん不自由になっていくのは残念でしょうがない。少子化に向かうなか、企業として事業を成立させたいから、人員確保のためにいろんな制約をつくっていきたいんでしょうけど。
サブロオ 淘汰されることが美徳だ、みたいにね。多数決だから僕たちのような考え方は負けちゃうんですよ。 調査ってあるじゃないですか。僕は以前、あるコスメブランドをプロデュースしていましたけど、こっちが発信しているにも関わらず、調査でこういう結果が出たからといわれる。それではプロデュースしている意味がありません。だから辞めました。 小林 そしていまは、ご自分のブランド『wAtOSA(ワトゥサ)』を手がけられていらっしゃるんですよね。
Profile
渡辺サブロオ 1971年よりCM、雑誌を中心とした活動を開始。日本におけるヘア&メイクアップアーティストの先駆者として、その地位の確立を果たす。現在、オリジナルブランド『wAtOSA (ワトゥサ)』の開発・プロデュースをはじめ、雑誌・広告など、幅広いフィールドで活躍中。名実ともにヘア&メイクの第一人者として広く知られている。その類いまれな技術とセンスに、モデルや女優からの信頼も厚い。ヘアサロン“SASHU”、メイクアップスクール“W・326 STUDIO”主宰。
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