◇五輪男子サッカー代表強化試合 日本2−1メキシコ
【ノッティンガム(英国)松岡祐司】ロンドン五輪に出場する男子日本代表は21日、当地で行われた五輪前最後の強化試合で、五輪出場国のメキシコと対戦し、2−1で競り勝った。日本は試合開始わずか54秒で、MF東慶悟(大宮)が鮮やかなゴールを決めて先制した。前半39分に追い付かれたが、後半42分にFW大津祐樹(ボルシアMG)の決勝弾で突き放した。26日に行われる五輪1次リーグ初戦のスペイン戦に向け、大きく弾みのつく一戦となった。
引き分けが濃厚となってきた後半42分。途中出場したFW杉本、大津のコンビが値千金の決勝ゴールを導き出した。
左FKから、ゴール前で杉本が競り合う。そのこぼれ球に向けて走り込んだ大津は右足の強烈なボレーシュートでゴール左上に豪快に突き刺した。「いやあ、ゴールは予想していた通りの軌道でいってくれた。途中出場だったんで、自分自身燃えていた。ゴールが取れてよかったです」。五輪前最後のテストマッチで、“仮想スペイン”ともいえる難敵を失意の底に沈めた。
先制パンチも鮮やかだった。試合開始54秒、相手の横パスをカットしたMF清武が右に流れた永井に出す。永井のグラウンダーのクロスに、中央から東が飛び込んでゴールを奪った。20日に22歳の誕生日を迎えた東が自ら“祝砲”を上げた。
しかし、スペイン戦を6日後に控えた関塚監督が攻撃の軸に据えたのは、「1トップ永井」だった。先制してからも、永井の前に空いたスペースに何度もボールが放り込まれる。思えばチーム立ち上げのころは永井の快足を生かした攻めが、このチームの最大の特長だった。6月のトゥーロン国際大会で優勝したメキシコを相手に支配率では圧倒されたが、永井のスピードからカウンターという戦術を関塚監督は再確認したようだ。
先制シーンだけでなく、前がかりになったメキシコから日本は何度もチャンスをつくった。後半開始からはMF宇佐美に代えてFW斎藤を投入。21分にはMF扇原に代えてMF山村を入れた。守りを固めつつ、関塚監督はさらに点を取りにいく。24分には1トップを永井に代えて大津を起用し、41分には東に代えて2試合連続ゴールの杉本を投入する采配が決まった。強豪相手に、関塚監督のプラン通りの戦いで、日本は大きな勝利を奪い取った。
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