線量計に鉛カバー命令、厚労省が調査
福島第一原発で、下請け会社の従業員が役員の命令で放射線の線量計に鉛のカバーをつけて被ばく線量を少なく見せかけていた疑いがあることがわかり、厚生労働省・福島労働局が調査に乗り出しました。
線量計にカバーをつけ作業をさせていたのは、福島県浪江町に本社がある建設会社「ビルドアップ」です。ビルドアップは去年末ごろ、福島第一原発の復旧工事を請け負っていましたが、その際、会社の役員が作業員に対し線量計に鉛のカバーをつけるよう命じていたということです。鉛は放射線を遮蔽するため、線量計では実際より低い線量しか記録されなかったことになります。
ビルドアップの和田孝社長は取材に応じ、役員から次のような報告を受けたことを明らかにしました。
「(アラームメーターが)ピピピという形で早く鳴ったもんですから、(役員)本人もびっくりしてしまって、被ばく線量の低減をしなければと、その場で思いついてしまったそうです。9名の方が装着をして一度作業したことを確認しております」(「ビルドアップ」和田孝社長)
厚生労働省も事態を把握し、ビルドアップに工事を発注した東京電力のグループ会社「東京エネシス」の福島第一原発内にある事務所に、福島労働局と富岡労働基準監督署が21日午前、立ち入り調査に入りました。
「あってはならないこと。本当に関係各位に申し訳なく思っている次第でございます」(「ビルドアップ」和田孝社長)
福島第一原発の復旧作業の被ばく限度は年間50ミリシーベルトと定められていますが、鉛カバーのついている線量計を使えば、より長い時間作業ができることになります。厚生労働省は、「事実であれば非常に悪質」として、東京電力と東京エネシスからも事情を聴くことにしています。(21日16:57)
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