産経抄 2011/10/29
以下、本日2011年10月29日付産経新聞、産経抄より転載
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円高は何も悪いことばかりではない。通貨の価値が上がっているのだから、わざわざ海外を旅行しなくても知らないうちに恩恵を受けている。世界的に食料品や原油が高騰しているのにかかわらず、日本の消費者がほんの少しの痛みを感じるだけですんでいるのは円高のおかげだ。
1ドルでも1セントでも多くもうけようとする強欲な投資家たちが安全な通貨として円を買っているのも悪いことではない。彼らは、東日本大震災で大きなダメージを受けた日本を支援しようという気持ちからではなく、純粋にもうけるためだから日本人はもっと胸を張っていい。
とはいえ、物には限度がある。2年前の9月、政権交代で鳩山由紀夫政権が発足したとき1ドルは90円台だったが、超円高といわれた。その後、軽々と90円、80円の壁を突破し、今や日本の輸出産業を壊滅させかねない75円台に突入した。
この2年間、政府と日銀は何をやってきたのか。おととい、日銀は金融政策決定会合を開いて追加の金融緩和策を発表したが、中途半端で円高の動きにストップをかけられなかった。
ピエロ役を演じたのは、安住淳財務相だった。連日、「必要なら断固たる措置をとる」と大見えを切りながら結局は為替介入に踏み切れなかった。介入は各国と連携し、前触れなしに実行して効果が出るものだ。「口先財務相」が今後、何を言おうと市場は信用しないだろう。
では、円安にするためにはどうすればいいのか。簡単にいえばお札をどんどん刷り、円の価値を下げればいいだけの話だ。復興財源も増税で賄う必要なぞ毛頭ない。財務官僚の操り人形や頭の固い日銀総裁に任せておいては、宝の山が強欲者(ハゲタカ)の餌食になるだけだ。
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輸出産業を壊滅させかねない状況、これってTPP推進に向けた演出とかだったら出来すぎですかね。安住淳もTPP推進派ですから、って民主党にはそこまでの絵が描ける人はいないですよね。特に直情型で口先だけの財務相に無理な話かもですね。。。
TPPどうなるんでしょうか?アメリカ主導の連携協定、アメリカにのみ有利な協定と考えてしまうのは妄想ですかね?
輸出産業にとって関税撤廃はありがたい話ですよね。逆に輸入品と競合する国内産業に取っては間違いなく厳しい状況に陥るでしょう。そして、農業法人などが海外から進出し、日本の土地を買い漁り、さらなる国内農業の衰退を引き起こしかねない状況はもっと怖いかも知れません。
詳しいことはわかってないんですが、こういう究極の選択に近い形のものは、どういう決断をしても批判されてしまうと思うんです。それはなぜか?結論を先延ばしにしてギリギリまで放置、あげくに決断を出すから、その後も後手後手の政策となってしまうからだと思うんです。
野党の立場なら党内で分裂していてもと思うんですが、政権与党であるならば早期に結論を出して、その後に考えねばならない施策を講じるべきだと思うんです。
TPPの話が出始めてから約1年、どうするどうすると悩むだけで結論を出さなかったというか出せなかった民主党、こんな時こそトップの指導力を発揮すべき時だと思うんです。常に批判の矢面に立つのは首相であるべきです。そのかわり、賞賛されるのも首相であるべきなんです。それこそが組織というものだと思います。そうしなければ組織としての呈をなさないと思います。
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