嘉田知事 住民票の履歴、なぜか回答せず

■平成23年8月4日(木) 第16025号

=大津市民が嘉田知事に再度の公開質問状=

嘉田氏の不動産購入と住民票移転履歴

◇大津
 大津市の田中敏雄氏(69)=自営業=が嘉田由紀子知事に求めた公開質問状への再回答が先月二十九日付で、同氏に郵送されてきた。その内容は、再質問を無視するものだった。田中氏は「嘉田知事の資産等報告書に基づいて公開質問状を提出したものであり、嘉田知事は公人として真摯(しんし)に答えるべきなのに、はぐらかす回答で遺憾だ。これでは疑惑が深まるばかりで、今後は県議会で明らかにしてもらう以外にない」と憤っていた。【石川政実】


田中氏「今後は県議会で追及を」


 田中氏は先月十三日、嘉田知事に対し「不動産の購入時ごとに住民票を転々と移されているが、住民票をいつからいつまで移し、かつ住んだのか」などについて公開質問状を提出した。

 田中氏が先月二十三日に受け取った嘉田知事からの回答書では▽住所に関しては、これまでその時々の生活の本拠に住民票を置いている▽大津市坂本本町の住宅(違法建築)は、当面は使用しないこととし、共有名義人の元夫と相談して最終判断をしたい−などとしていた。

 しかし、田中氏は先月二十六日、「住所に関して『住民票をいつからいつまで移し、そして実際に住んだのか』を聞いたのに、嘉田知事は『その時々の生活の本拠に住民票を置いている』と答えをはぐらかして回答になっていない。改めて住民票の履歴をうかがいたい」とし五項目について再質問した。

 そして嘉田知事は先月二十九日付けで文書を田中氏へ送付し、「回答については、前回答えた通り」として、再質問に応じなかった。


 不動産専門家は「不動産の購入時に住民票をわざわざ移すのは、登記する際に登録免許税や不動産取得税の減額措置が受けられることや住宅ローンが組みやすくなることに加え、住居用資産を売却した譲渡益に三千万円までの控除があるから」と指摘する。
 このため田中氏は「住民票の通り、実際に居住していれば問題はないが、居住場所が違っていれば、場合によれば公正証書原本不実記載等罪や脱税疑惑に発展しかねない。大津市坂本本町の住宅は水道も下水もなく、長期間住むのはとても困難だが、嘉田知事はどのように住んだのか。なぜ住民票の履歴を堂々と開示しないのか、疑念すら感じる」と問題視する。
 さらに同氏は「これからは県議会で、嘉田知事の住民票の履歴を明らかにしてもらいたい。場合によれば告発も考えたい」と語った。


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