転移装置で複製したのは材料を用意して完全複製する物理型と情報と魔力で編
まれた幻想型の2種類。
幻想型は、物質型に比べ俺の魔力で作る為燃費も悪く、ナミの作り出す眷属の様にオリジナルに比べ
て一段劣るが、俺の魔力で編んだ物故、意のままに操ることが出来る。
先の攻撃のように高速で射出することも出来るし魔力量を調節して透明化することも爆発させることも出来る。
鈴木が俺のステルスを見破ったカラクリが解けた。
俺のスキルのステルスは気配を消し、存在を希薄にし、相手の死角に移動する認識阻害の技術。幻想
剣は魔力を可能な限り希薄にして透明化したものだ。
鈴木は、俺のステルスには気づいていたが、幻想剣のステルスを感知出来なかった。つまりサーモグ
ラフかピット器官のように熱源レーダーを備えていることになる。
ならば、攻略するの容易い。(・・・)
鈴木が動き出した瞬間、同時に幻想剣を10本同時に高速射出。
「剣弾!!」
・・・・・・ノリで叫んだが、恥ずかしすぎて死にたくなった。 なんかこう・・・死にたい。
もう俺24よ? 社会人よ? 異世界に毒されてきたかな?
自己嫌悪はさておき剣弾は容赦なく前方に飛んでいく。点では無く面で攻め回避は許さない!!
が、鈴木は回避の素振りをせずその場で中腰になり左手を前方に出し右拳を握り
「正拳突き(ライダーパァァンチ)!!」
正拳突きを放ち、その拳圧で前方の剣の弾幕を吹き飛ばしやがった。何て奴だ!! ・・・てか今、正拳突きにライダーパンチってルビ振った?
え?この人もしかして俺に気を使ってくれた訳?・・・いい奴かもしれん。
まぁ回避不可能な以上防御か、反撃の二択しかない。拳圧で吹き飛ばそうが、足を止めを狙っての攻
撃だ、剣弾を全て爆破する。前方、鈴木の左右を通り過ぎた剣が、爆発全て致命傷を与える有効圏内から離れているが、爆炎と爆風で周囲による弾幕と熱により一時的に鈴木は俺を見失う。
その僅かな隙を狙い、煙から出てくる前に鈴木の周囲を中級魔法、炎の壁
を無詠唱で発動し、取り囲む。
ー次で王手だ-
鈴木 剛太郎 side
如何やら、サーモグラフに気づかれていたようだ。 爆炎と爆煙加えてファイアーウォールに囲まれ、視覚と熱源探知を封じられ、彼を見失った。
このままでは、先程の剣弾をはじき落とすことが出来ない。突きや蹴りの風圧で吹き飛ばすことも可能だが、したら最後、隙を突かれてハチの巣にされる。
よしんばこのまま待っていても結果は同じだ。
・・・これは賭けだが、失敗すれば詰みだが、成功すれば俺の勝ちだ。
いざ、勝負!!
一斉に剣弾を周りを囲むように射出!
さらに時間差で唯一つの突破口である上空にも剣弾を降らせる。
先程のライダーパンチと、改造人間という肩書から、仮面ライダーに酷似した改造を受けていると予
測が立つ。
ならば、次に来るのは、上空に跳躍してからの必殺技にしてライダーの代名詞である。
「飛び蹴り(ライダーキック)」が来る筈。
だが、そんな活路は立たせて貰う。
「爆破」
炎の壁の中に吸い込まれた剣弾その全てが爆発し、瞬間
-音が消えた。
先の二度の剣弾と違い、分散しての爆発ではなく、一か所に集中しての爆発だ。
当然威力も桁が違う。
剣弾の刺突、爆風、爆熱、爆音に加え、対象の肺の中の酸素まで燃やし尽くし、窒息死の五重苦の
過剰殺傷攻撃だ。
如何に改造人間といえどこれを受けては生きてはいまい・・・
「・・・ヤベ 生存フラグと死亡フラグたてた!?」
瞬間、背後から衝撃を受け、吹き飛ばされた。
「ぐぅっ!!」
若干、空を飛ぶ浮遊感に興奮するも次に襲い掛かるであろう地面への激突を避ける為、受け身を取ろ
うとするが、それが限界だ転がり続け、ようやく勢いが止まったが、体が動かない。
うつ伏せのまま顔をあげて俺を吹き飛ばした張本人をみやる。
シルエットがさっきと違う。 右腕が巨大なドリルに変化してる・・・が、すぐに消え、元の右腕にも
どる。
「ぐ、地面を掘り進んで難を凌ぐとは。」
不意打ち対策に何重もの障壁と、防護服着こんで、尚且つカンストしてる俺の防御を貫くとは・・・
つーか、改造人間でまさか四番目のライダーとは予想外だ。
おそらくバリエーション豊富であろう義手の中からドリルアームで地面を一瞬で掘り進み俺の死角からの奇襲をかけるとは。
「正直、成功するかは賭けだったが、その傷ではもう動けまい。勝負あったな。」
あくまで、俺の確保が目的か・・・ふら付きながらも俺に近寄ってくる。
よく見ると彼もボロボロだ、あの爆撃の余波を受けたのだろう。
-詰んだな。
俺の勝ちで❤
瞬間今まで物言わぬ死体だった三〇以上の魔獣が一斉に起きあがり、満身創痍のゴータローに襲い掛か
った。
「「なっ!!!」」
ゴータローとアリアが驚愕の声を上げる。
てか一人空気すぎて忘れてた。
2人の驚愕も当然だ。
竜の墓場や樹海、遺跡で朽ち果てた死体に長い時間、怨念や無念と大気中の魔素が蓄積して始めてアンデッドモンスターと化すのだ。
僅か数分も経たずに、魔獣がゾンビ化するなどあり得ない。
魔獣ゾンビの群れに袋叩きにされ、組み伏せられたゴータローと上空にいるアリアに向けてアキラは答えを述べた。
「俺は「黄泉の入り口」の攻略者だぞ?」
初めに剣弾を炸裂させ、剣の中に染みついた歴代の所有者の無念、刃に染みついた死者の怨念さえも情報という形で複製し、カンストレベルのアキラの魔力で編まれた幻想剣、黄泉の入口に祭られ封じられていたナミの契約者。
この3つの要素があり、始めて即座に死にたての魔獣を短時間でアンデッド化させ、使役できたのだ。
そうこうしている間に、ナミとの契約の恩恵、自動回復により、傷の再生が完了した。
「チェック・メイト」
いやー戦闘回はいいですねー。
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