今日もケンカを始めてしまうのび太とドラえもん。それをタイムテレビで見ていたセワシは、のび太の運命を変えるのにはドラえもんは向いていないのではないかと考え、ドラえもんの代わりにしばらくドラミが行ってみることを提案する。ご飯の時も仲直りせず、先に部屋に戻ったドラえもんはやって来たドラミを見て驚く。ドラえもんはのび太のことで愚痴を言うが、それを聞いたのび太は部屋に入らずに階下に降りてしまう。ドラえもんはついには「未来の世界に帰りたい」とまで言ってしまう。そして翌朝、のび太を起こそうとするドラミは「ゆめグラス」でのび太の夢を覗き、「ゆめコントローラー」でわざと悪夢を見させ、のび太を起こしてしまう。のび太が学校に行った後、珍しく寝坊したドラえもんが起きるが、ドラミから話を聞いて安心し、ドラえもんはドラミと遊ぼうとするが、ドラミはのび太の面倒を見ると言う。テレビで見てみるとのび太は教室で居眠りしていた。ドラミはもう一度夢コントローラーを使い、今度は良い夢を見させてのび太にやる気を起こさせる。さらに家の掃除や洗濯もドラミが全部やってしまい、ママからも感謝され、その間にドラえもんは学校へ行ってみる。そこでは体育のマラソンでのび太だけ遅れていた。ドラえもんは何か道具で手助けしようとするが、ドラミに止められる。ドラミは今日一日のび太の世話を努め、それでうまくいったらドラえもんと交代するつもりで来ていたのだ。ドラミは「自信ヘルメット」をのび太につけ、のび太の力で完走させる。
喜んで帰ってきたのび太はドラえもんの忠告を無視して昼寝しようとするが、ドラミがあらかじめ「瞬間昼寝ざぶとん」と取り替えておいたので、のび太は一瞬で目が覚める。さらにドラミは「クイズパズル光線」で学校の宿題をクイズに変えてしまい、のび太に宿題までさせてしまう。「ハッスルねじ」をかけられて楽しく遊ぶのび太を見て、自分の力不足を痛感したドラえもんは未来に帰る決意を固める。部屋に戻ってくるとセワシが迎えに来ていた。ドラえもんは虚勢をはって未来へ帰ろうとするが、そこへ何も知らないのび太がやってきた。しかしドラえもんが帰るということを聞いて仰天し、絶対にドラえもんを帰さないと言い出す。のび太は例えどんな事情があってもドラえもんと別れたくないのだ。それはドラえもんも同じだった。そんな二人の様子を見たセワシとドラミは未来の世界へ帰っていく。後日、仲がいいにも関わらずまたケンカする二人を、セワシ達は複雑な表情で見つめるのだった。
(解説)「ドラミはドラえもんよりも優秀」。これは今でも通じる設定です。では、そのドラミがドラの代わりにのび太の世話をすることになったらどうなるのか。それを今話では描いています。確かにのび太はドラミのおかげで楽しい一日を送ることが出来た。けれど、本当に大切なことは、何よりも大切な親友といつも一緒にいること。のび太も無意識のうちにそれに気付いていたからこそ、ドラとの別れを拒んだのでしょう。ドラとのび太は「世話をし、世話をされる」と言うような関係ではなくなっているのです。何よりも大切な友達だからこそ、別れを拒んだ二人。その姿には、凡百の言葉では語り尽くせない「友情」の真なるものが感じられると思います。
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