東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

銀座から名画座消える シネパトス 来春閉館

2012年7月20日 13時52分

来春閉館する映画館「シネパトス」がある三原橋地下街の入り口=20日、東京・銀座で(坂本亜由理撮影)

写真

 四十五年の歴史を持ち、東京・銀座唯一の名画座として映画ファンに親しまれている映画館「銀座シネパトス」が来年三月末に閉館することが二十日、分かった。閉館を惜しむ俳優の秋吉久美子さん(57)や香川京子さん(80)らが同劇場を舞台にした新作映画に出演し、最後の上映作品となることも決まった。

 閉館は、劇場がある三原橋地下街の耐震性の問題で取り壊しが決まり、東京都から立ち退き命令があったためという。

 銀座シネパトスは一九六七年から翌年にかけ、銀座の中心部に近い三原橋地下街に「銀座地球座」「銀座名画座」としてオープン。二〇〇九年からは、三スクリーンのうち一スクリーンを邦画専門の名画座とし、日本を代表する巨匠や名優の作品を特集上映するとともに、出演俳優のトークショーも開催してきた。

 新作映画は、映画評論家の樋口尚文さん(50)がメガホンを取る「インターミッション」。映画館の休憩時間の客席を舞台に、観客たちが繰り広げるブラックコメディー風の群像劇。

 「シネパトスの姿を映画に刻みたい」という樋口さんの思いに、呼び掛けた俳優二十数人全員が賛同し、秋吉さんや香川さんのほか、染谷将太さん(19)らが出演、来年二月二十三日から閉館日まで同劇場で公開される。

 樋口さんは「シネコンで画一化された映画しか見られなくなっている今日、デジタル化の波に逆らって旧作フィルムの掘り起こしをしてきた映画館が消えるのは残念。最後に映画館に行かないと見られないものを見せたい」と話している。

<名画座> 過去の名作など旧作を上映する映画館。DVDの普及に加え、立体的に見える3D映画などデジタル設備での上映が増えたため、フィルムで上映する各地の名画座は減少している。東京・銀座では、銀座並木座が1998年に閉館した。東京・日比谷のTOHOシネマズみゆき座など全国の25劇場は、フィルムで見る最後の機会になる恐れがあるとして、名画を上映する「午前十時の映画祭」を来年2月まで実施している。

(東京新聞)

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo