東日本大震災:福島第1原発事故 線量計に鉛カバー指示 東電下請け、被ばく隠し工作
毎日新聞 2012年07月21日 東京夕刊
ビルド社の和田孝社長は「大変お騒がせして申し訳ない。誠に遺憾で、ことの重大性を深く受け止めている。作業員からの情報を基に正確に調査し報告させていただく」と説明。東京エネシスの担当者は「19日に和田社長から報告を受けた。鉛のカバーを作ったのは事実のようだ。あってはならないし、信じられない」と言う。
東電広報部は「東京エネシスから19日に報告を受け、事実関係を調査して速やかに報告するよう指示した」とコメント。厚労省労働基準局監督課は「過去に線量計をつけないなどの問題はあったが、今回のようなケースは聞いたことがない。悪質な場合は書類送検なども考えられる。法令違反が確認され次第、厳正に対処したい」と話している。【福島祥、市川明代】
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■ことば
◇原発作業員の被ばく線量
労働安全衛生法の規則は、被ばく線量の上限を通常時で1年間50ミリシーベルトかつ5年間100ミリシーベルト、緊急時の作業期間中は100ミリシーベルトと規定。福島第1原発事故の3日後に緊急時の上限は250ミリシーベルトに引き上げられ、昨年末に100ミリシーベルトに戻された。今年1月末時点で作業員約2万人のうち50ミリシーベルト超〜100ミリシーベルトは756人、100ミリシーベルト超は167人。