03 PDJ-Lab #03 2012.6.13 PoRTAL@渋谷

第1部 PDJ論

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対談テーマ PDJ世代の働き方について 猪子 寿之 安藤 美冬 猪熊 純 刈内 一博

第1部 PDJ論

第2部 PDJ会議

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ノマドとコワーキングワーキングカップルの課題 参加メンバー50音順 島原 万丈 浜田 晶則 猪熊 純 刈内 一博 木内 玲奈 笹本 直裕 茅野 達郎

第2部 PDJ会議

木内 玲奈木内さん
本日の会場はPoRTAL(ポータル)という場所で、渋谷駅から徒歩4分くらい。
開放的でおしゃれな空間に、フリーアドレスのデスクとミーティングルーム、キッチン、ホワイトボードの壁などが備わったワークスペースです。
シェア住居のポータルサイトとして有名な、ひつじ不動産さんが運営しているスペースで、さまざまな料金プランでいろいろな使い方ができるのが特徴。たくさんの方が働いていらっしゃいます。
やはりフリーランスや自営の方が多いそうですが、企業にお勤めで気分転換に使うという方も。30~40代くらいの方も少なくなく、幅広い年代の方に使われている点もおもしろいです。
笹本 直裕笹本さん
僕は会社員で、設計や住宅の企画などに携わっているのですが、PoRTALにも登録していて、月に数十時間使えるプランで活用させていただいています。

コミュニティを考えるときに重要な2つのキーワード。
家族や会社など、固くて強いつながりの「ストロング・タイ」
ソーシャルメディアに代表されるゆるいつながりの「ウィーク・タイ」

PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
刈内 一博刈内さん
今回は「コミュニティの変化」がテーマです。
安藤さんは講演などでよく「ストロング・タイとウィーク・タイ」というお話をされていますね。
それについて、改めてお伺いできますか?
安藤 美冬安藤さん
人間を図る信頼のベースに、かつては金融資本がありました。
いくら稼いでいるのか、どのぐらいの資産を持っているのか、広義の意味ではどこに勤めているのかということなどです。
でも、これからはつながりの時代というか、ソーシャルキャピタル。金融資本に対してソーシャルキャピタル、社会資本がすごく大事だというのが、私の主張の1つです。
そのなかでよく言っているのが「ストロング・タイとウィーク・タイ」。読んで字のごとく、固く強いつながりとゆるやかなつながりです。
ストロング・タイの代表格は家族や会社など。ウィーク・タイはソーシャルメディアに代表される、不特定多数の人達も含めた、制約の少ない人間関係を言います。
私は講演などで、ストロング・タイとウィーク・タイをあわせ持ち、両者をバランスよく自由自在に行き来することが人間関係の豊かさにつながる、という話をしています。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
猪熊 純猪熊さん
金融資本の時は、ストロング・タイとウィーク・タイ、どちらもいらなかったのでしょうか?
安藤 美冬安藤さん
金融資本というのは、すごくアンフェアな競争が生まれがちです。持てる者はさらに持ち、持たざる者はなかなか持てない。
でも、ソーシャルメディアは限りなく無料に近いツールです。誰でもアクセスしやすい環境が整っている中で、地域コミュニティや家族も含め、競争ではなくて共に生きる「共生」にシフトしてきているのは、象徴的だと思います。
木内 玲奈木内さん
そういう社会還元資本みたいなソーシャルキャピタルは、昔もあったような気がします。
それが経済成長を追い求めていく中でなくなってしまい、今、そこに対する揺り戻しみたいなものがあるのかもしれませんね。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
安藤 美冬安藤さん
そうですね。震災を機に、地域が見直されているのも原点回帰に近いですし。
ソーシャルメディアで不特定多数ともつながるという、新しい形が生まれつつあるのが特徴かもしれません。
guest_0302川路さん
昔は権限を持った人しか社会に発言できなかったのが、Facebookの力でコミットメントが民主化された気がします。
一般の人がどんどん社会に発信できるようになりましたね。
林 宏昌林さん
エリアも壊したように思います。
昔のコミュニティは「隣組」など距離の限定がありましたが、ソーシャルメディアによってエリアが壊れ、同じ志や目的を持った人達がつながっています。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
全員口々に
なるほど。たしかにそうですね。

承認されたい欲求を「いいね」ボタン1つで満たしてもらえるところに
ソーシャルメディアが普及した理由の1つがある。
「ちょうどいいゆるさ」で人と付き合いたい人も増えているのかも

刈内 一博刈内さん
今、ウィーク・タイであるFacebookやTwitterがものすごく普及しています。特別な方だけのものではなく、一般的に広く使われています。
なぜこれほど普及したのでしょう?
茅野 達郎茅野さん
1つには気軽さがあると思います。見たいタイミングで見て、返信でき、シェアもできて、とても手軽です。
また、個人的な感覚ですが、若干ビジネスにも絡められるという点もあるのではないでしょうか? 自分はそれも理由で活用しています。
猪熊 純猪熊さん
戦後やそれ以前と比べると、今はインフラが圧倒的に整っています。
どこでも高速道路や新幹線でつながっていて、飛行機ですぐに台湾にも行けます。そうすると、確実に流動性が高まってきます。
SNSが出て来る以前から、離れやすくくっつきやすい状況が整っていて、だからこそ今、こうなっているように思います。
刈内 一博刈内さん
SNSは承認欲求と面倒くささとの関係性が強いと思っています。
無縁社会と言われ、個人ベースの生き方をするようになった中で、人間が本来持っている「承認されたい」欲求を、「いいね」ボタン1つで気軽に満たしてもらえるのが、普及した理由の1つにあるのではないでしょうか。
面倒くささとは、承認はされたいけれど人間関係にどっぷり深入りはしたくないという思いです。
SNSのちょうどいいゆるさがウケている気がします。
笹本 直裕笹本さん
「ちょうどいいゆるさ」という感覚、すごくわかります。深くつながることには、怖さみたいなものを感じることもありますから。
SNSは、気軽さとも近いのですが、そのくらいで付き合っていたい関係が増えたということもあるように思います。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
茅野 達郎茅野さん
Facebookはどういう目的で使っていますか?
私は情報収集が目的の1つです。友達やお客さんなどの隔てはなく、来た友達承認は全てOKしています。ただ、自分から情報提供はしないですね。ずるいですけど(笑)
guest_0302川路さん
僕は逆に、あまり人の投稿などは見ていなくて、「いいね」を押さないということですごく怒られます(笑)
そういうこともあって、ニュースフィードなどを見なくなりました。
Twitterも一時期はよくやっていたのですが、おもしろくなくなってきて…。
林 宏昌林さん
僕も最初は楽しかったのですが、皆、同じような日常を過ごしているとわかってきて、それほど見なくてもいいと思うようになってきています。
笹本 直裕笹本さん
川路さんは「いいね」を押されないと気になりますか?
guest_0302川路さん
全く気になりません。
ただ、皆、こういう内容には興味がないのか、と分析をすることはあります。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
茅野 達郎茅野さん
他の皆さんはどうですか?
全員口々に
気になるかならないかといったら…気になるかな。そうだね。なりますね。
guest_0302川路さん
おいしそうなご飯の写真には、「いいね」がすごく多くつきますよね。
でも先日、下総中山の駅前にものすごく大きなくちばしのオウムが鎖でつながれているのを見て、おもしろいと思って投稿したら、1つも「いいね」を押されませんでした。こういうものかなって(笑)
茅野 達郎茅野さん
逆に、失敗したことやすべった話にはたくさん押されますよね。
guest_0302川路さん
頑張ります宣言などにも、皆、押しますね。
人生の節目のいいこと、出産なども。ソーシャル祝福みたいな感じ(笑)
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議

「家族を持つとは?」という問いに対して
団塊の世代は「社会的な地位が上がる」「一人前になった感覚がある」
PDJ世代は「好きな人と一緒にいること」

刈内 一博刈内さん
ストロング・タイの代表格は家族ですが、今、その家族の構成がずいぶん変わって来ています。
戦後は、お父さん+お母さん+子ども2人の4人から成る世帯を標準世帯と呼んで、いろいろな指標に使っていました。
1975年には、親と子どもから成る世帯が日本全体の4割くらいで、単身世帯は2割程度でしたが、2005年にはほぼイーブンになり、逆転し始めています。
2030年には、親と子どもから成る世帯が2割しかいなくなり、単身世帯が4割になると言われています。
茅野 達郎茅野さん
PDJ-LabのWebサイトにも、そうした統計資料をまとめているのでご覧ください。

→統計資料はコチラ

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世帯人数はずっと下がり続けています。
 1953年には5人程度だったのが、今は2.5人前後。東京では2人を切ったというニュースが、今年3月くらいに流れたと記憶しています。
対して、世帯数は増えていて、2015年くらいにピークを迎えると推測されています。それが5060万世帯くらい。
ただし、2030年には4880万世帯くらいに減る予測で、だんだん家族というストロング・タイの意識も変わっていくのかもしれません。

林 宏昌林さん
リクルートでも以前、家族に対する意識を調べたことがあります。
「家族を持つとは?」という問いに対して、団塊の世代の人達からは「社会的な地位が上がる」「一人前になった感覚がある」というコメントが多く出ました。
一方、PDJ世代は一義的で、「好きな人と一緒にいること」という言葉が出てきました。
「好きな人と一緒にいる」というのは、結婚だけでなく、彼女や同志的につながったゆるやかなつながりの友達も含まれています。
世代間でも家族に対する意識は変わって来ているのでしょう。
刈内 一博刈内さん
自分の感覚として、お父さんは会社で働きお母さんは専業主婦というのが、子どもの頃のモデル的な家族のイメージでした。
お父さんは会社でバリバリ仕事をしていたわけですが、バブルが崩壊し、ある意味、理想の家族像も崩壊していく様を、子どもながらに見ていた人達が多いのではないかと思います。
それを反面教師にしながら、前時代的な価値観に軸足を置かず、仕事もするけれど家族も大切にしよう、趣味も頑張ろうというように、幸せを分散する傾向があると思うのですが、いかがでしょう?
guest_0302川路さん
もっと単純な気もします。
以前は個が集まって住むことで、安全性や経済的なメリットがありましたが、だんだんそれが満たされてきました。
もちろん、心情的にはいろいろあるのですが、依存しなくても生きていける経済状況や資本がそろったのではないかと感じています。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
林 宏昌林さん
生涯未婚率(50歳時の未婚率)も、2010年で男性が2割、女性が1割くらい。20年前に比べると約4倍です。
自分1人でも生きていける状況に、特に女性は変わってきていますね。
(※生涯未婚率は1990年で男5.57%、女4.33% <国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2011)」より>)
茅野 達郎茅野さん

自分一人で生きている人も増えていますが、同時に共働き世帯も増えています。

PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議

1980年には614万世帯だったのが、2008年には1011万世帯に。
ちなみに、ここで言う共働きとは、アルバイトやパートも含まれます。

PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議

また、「女性のライフコース」という意識調査では、男性が女性に期待するライフコースと、女性が理想と考えるライフコースを調査しています。
その中でも共働きが増えています。
逆に専業主婦願望は下がっているのですが、自分の周りでは専業主婦願望が高まっている印象があります。
そこで調べてみたところ、2008年の厚生労働省のデータでは専業主婦願望が上がっています。
リーマンショックやサブプライムローンの問題などにより、女性の意識が変化し、専業主婦もいいと考える人が増えてきているようです。

安藤 美冬安藤さん
これだけ生涯未婚率が高い中で、専業主婦ができる人はセレブコースですね(笑)
無事に結婚し、子どもをもうけ、かつ専業主婦でいけるというのは選ばれし人。これから特権になるかもしません。
今までは男性と同じようにバリバリと出勤して働くのが、非日常の女性であり、あこがれの姿だったが、今は専業主婦のポジションを守ることが奇跡みたいなところがあります。
そこにあこがれる気持ち、わからなくもないですね。
木内 玲奈木内さん
私の周りにも、専業主婦願望がある人はけっこう増えています。
でも実際にはいなくて、経済的な事情から、子どもを保育園に預けて働くワーキングマザーが多いです。
私自身は、仕事と家庭を両立したいと思っています。でも、家庭を持ってバリバリ働くというよりは、両立しながら、できればゆるゆるとお気楽に働くのが理想かな。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議

わずらわしい部分も含めて補い合う新しい形のシェアハウス、
被災地に人と産業を呼ぶカフェ、人がつながる第2の地元プロジェクト。
新しいモノが生まれそうな、注目したい3つのケース

笹本 直裕笹本さん

先ほど「好きな人と一緒に住みたい」という話がありましたが、好きな人であれば、名字が一緒でない人と住む、好きな地域で暮らす、といったことが、今まさに増えていると思います。
1つ、そういった取り組みの例を紹介したいと思います。

PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議

「大森ロッヂ」という賃貸物件です。 1つの区画全体がリノベーション、再生された事例で、2階建ての戸建ての他、3連長屋や2連長屋があります。
戦後に建てられたもので、路地や井戸、裏庭などを共有しています。
一般的なシェアハウスのような個室以外を共有するのとは違い、まず自分の家があり、その周りの環境を共有する家になっています。

茅野 達郎茅野さん
どのような方が住んでいらっしゃるのですか?
笹本 直裕笹本さん
20代~30代半ばの方々で、子育てをしている人もいれば、独り暮らしを始めたばかりの方もいます。
縁側があり、窓もいろいろな方向にむいて、自然とコミュニケーションが生まれる環境になっています。
僕も何度か、祭りやイベントに遊びに行かせてもらったのですが、肉じゃがを作り過ぎたからと分け合ったり、子どもが別の人の家で遊ぶような状況が実現していました。
いいものや楽しさだけを共有するのではなく、干渉し合い、わずらわしい部分も含めて、補い合い共有できているいい例だと思います。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
林 宏昌林さん
コミュニティを求めてそこに入って来られるのですか? それとも入った結果、コミュニティができているのですか?
笹本 直裕笹本さん
募集の仕方として、床面積がいくらで、何階で、南向きか北向きかといった均一の情報ではなく、オーナーの思いを伝えたり、募集してきた方をオーナーや管理人が面接したりします。
ある程度フィルタリングをかけてあげることで、住む人の価値観も合いやすのかもしれません。
今後、職場などいろいろな場面で活用していける方法だと思います。
刈内 一博刈内さん
猪熊さんも、コミュニティに関するプロジェクトをされていますね。
猪熊 純猪熊さん
去年の震災後、設計をやっている人間として何か積極的に、支援というほど他人事でもなく、関わっていけることがあるのではないかという思いで始めたことがあるので、それをご紹介します。
陸前高田は、今回被災した中でも最も被害の大きかった町の1つです。
人が集まる場所もなくなってしまい、仮設住宅地はあるものの不便なことが多く、もっと手軽な場所が必要なのではないかと思いました。
そこで、使い方も集まる人も自由なコミュニティの場ができたらいいと考えてつくったのが「りくカフェ」です。
スピード感がほしかったので、補助金を申請している間もなく、完全に民間だけで行いました。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
林 宏昌林さん
中もおしゃれな雰囲気ですね。
猪熊 純猪熊さん
人が集まる場所ですから、空間にも何かしら引き寄せるものがほしいと考えました。
簡素ですが、どこか心地よさがあるといいなと思ってつくっています。
今では1日に30人、多いときには50人くらいの利用者があります。
地元の方の他、ボランティアやそれを支援する方、メディアの方など、半分くらいは県外の方。人がたくさん来るので、商業も生まれています。
30㎡ほどの小さなところなのですが、医業や福祉、支援、教育、商業など、いろいろなものが取り巻く場所になっています。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
guest_0302川路さん
「ルイーダの酒場」みたいですね(笑)
(※「ルイーダの酒場」はコンピュータゲーム『ドラゴンクエストシリーズ』に登場する、酒が一切出てこない酒場。勇者が仲間を探すために使う)
茅野 達郎茅野さん
川路さんからもプロジェクトをご紹介いただけるとか。お願い致します。
guest_0302川路さん
「アサゲ・ニホンバシ」というプロジェクトについてお話させていただきます。
日本橋の「WIRED CAFE(ワイヤードカフェ)」で月に1回、7時45分〜8時45分まで、講師の方を招いて、皆で朝ごはんを食べながら勉強会をしています。最初、基本広告は一切やらずに、Facebookだけで告知しました。
何人くらい集まるか不安だったのですが、7時45分スタートのところ、7時15分くらいの段階で100人以上が並んでいて…。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
全員口々に
えーーーーー!
guest_0302川路さん

企画力などではなく、もう時代がそういう感じになっているのだと思いました。
人は勤務する場所に月〜金曜日まで40時間以上いて、毎日通っています。ならばそこはある意味、第2の地元だと思うのです。
その思いを大事にしており、それが、多くの人が集まる原動力になっていったと感じています。
隣のビルの人とつながるようになればおもしろいし、日本橋ももっと盛り上げたい。でも、なかなか僕らワーカーが参加できるイベントはないのが現状です。
ならば、自分達が楽しめる企画を自分達で仕掛けようと、仲間がどんどん集まってきたのです。
運営組織「日本橋フレンド」はNPOを目指して活動しています。
たくさんのプロジェクトを抱えていて、「アサゲ・ニホンバシ」はその1つです。

「アサゲ・ニホンバシ」のメインイベントに、「マエヒャク、アトヒャク」というのがあります。
セミナーに2人の講師をお呼びするのですが、日本橋と言う土地柄、創業100年200年の企業がたくさんあるので、1人はそういう会社の方。それがマエヒャクです。
もう1人の講師がアトヒャクで、日本橋に新しい息吹を吹き込むようなクリエイターの方です。
マエヒャクとアトヒャクの間に、必ず感想をシェアする時間を入れて、同じテーブルになった人同士で話をしてもらいます。
すると、そこから名刺交換が始まり、人がつながっていくのです。

PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
全員口々に
おもしろいですねー。参加したい!
林 宏昌林さん
そもそも昔の日本橋は、そういうところだったように思います。
先ほどの話に出た原点回帰のようなことにもつながりますね。

ウィーク・タイのSNSだけでは「情報の共有」しかできず
その先の「体験の共有」がないと、新しいものには発展しない。
それはストロングとウィークの中間の「ミドル・タイ」の関係

刈内 一博刈内さん
これまでの議論を通して、コミュニティみたいなものに対して、皆さんはどのようにお考えになりましたか?
木内 玲奈木内さん
3つに共通しているのは、場所がきっかけでつながりができ、それがコミュニティの形になり、そこから楽しいことや商業、産業が生まれている点。
「アサゲ・ニホンバシ」からも新しいものが生まれそうな予感がします。
笹本 直裕笹本さん
ストロング・タイに基づいた場所でのコミュニティではなく、ウィーク・タイに近いところから根づいたつながりというのも共通点ですね。
僕自身も、確かにそういうホームグラウンドみたいなものを、強く根づかざるを得ない場所ではない別の場所にほしいと感じています。
PoRTALを借りて仕事をしているのも、同じ理由です。
刈内 一博刈内さん
「アサゲ・ニホンバシ」はFacebookで人を集めたとおっしゃっていましたが、Facebookがなかったらできたでしょうか?
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
guest_0302川路さん
今、スタッフが15人くらい、ボランティアが30人くらいいますが、基本、全てFacebookでやりとりをしています。
たぶんFacebookがなかったら、このつながりとこのプロジェクトはなかったでしょう。
Facebookは場所と時間を超えて、ウィーク・タイを強くするというのも変ですが、そういう感じがありますね。
Facebookを持ち上げたいわけじゃありませんが(笑)
安藤 美冬安藤さん
単純に、共通言語がありますよね。
日本橋で働く人達という共通言語があるだけで、多種多様な人が集まってきてもコミュニティができやすい。
木内 玲奈木内さん
ストロング・タイとウィーク・タイの間くらいの感じがしますね。
刈内 一博刈内さん
ミドル・タイですね(笑)
木内 玲奈木内さん
シェアハウスに住んでいる方にお話を聞くと、皆「友達以上、家族未満な関係です」とおっしゃいます。
それもミドル・タイですね。
guest_0302川路さん
活動をしていて思うのは、プロジェクトの企画よりも、先ほどの「ルイーダの酒場」に集まった5人のウィーク・タイがストロング・タイになる瞬間がすごく重要だということです。
一歩、土足で踏み込んでいかないと、そこまでの結束は生まれないし、プロジェクトは進みません。
「いいね」を押してメッセージを送っているだけではうまくいかなくて、どこかの時点で体験を共有するとハイタッチが生まれ、次もやろうということになるのです。
今後、いくつのプロジェクトができるか、とても楽しみです。日本橋にはワーカーが46万人いますから(笑)
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議
刈内 一博刈内さん
たしかにSNSのウィーク・タイだけでは、情報しか共有できないのかもしれません。
そこから先に進む何か、目的をシェアするなどの何かがないと、新しいものに発展しないのかもしれませんね。
木内 玲奈木内さん
シェアハウスも、今は単身向けのものが多いのですが、家族向けがほしいという声をよく聞きます。
家族向けならば、ワーキングマザーの問題に対しても何か提言できることがあるかもしれませんし、おもしろそうですよね。
刈内 一博刈内さん
僕も今、シェアハウスに住んでいます。
学生時代にバックパッカーで世界中を放浪し、ユースアコモデーションなどでいろいろな国の人と生活を共にすることがすごく楽しかったのです。
日本でサラリーマンをやりながらそういう生活を送れないか、独身のうちにそういうことをしておきたいと思ったとき、たまたま住みたいと思えるシェアハウスが見つかりました。
そこで安藤さんとも知り合ったのです。
実はこの場自体が、もうシェアハウスみたいなもの、新しいコミュニティから生まれた場でもあるのです。
全員口々に
そうですね。なるほど。
木内 玲奈木内さん
今はシェアハウスに住みたいとは思わないのですが、家族ができたら、または10年後も1人でいたら、シェアハウスに住みたいと思っています。
いろんな年代に合うシェアハウス的なものが、もっと暮らしや住まいにもあっていいと思います。
コーポラティブハウスは住む人が自然と仲良くなり、コミュニティができやすいのですが、そういう暮らしがもっとあってもいいのではないでしょうか?
刈内 一博刈内さん
コーポラティブハウスとは、どういうものですか?
木内 玲奈木内さん
マンションを買う場合、通常はディベロッパーさんがつくったものを買いますが、コーポラティブハウスは家をつくりたい方たちがまず集まり、皆で話し合いながらマンションをつくり、住宅を取得する方法です。
時間はかかりますが、一緒につくっていく中でコミュニティができて仲良くなったり、ディベロッパーさんが介在しない分、割安で自由に設計できるなど、いろいろなメリットがあります。
guest_0302川路さん
スウェーデンのゼネコンの方から聞いたのですが、ヨーロッパで今、注目されている住み方は、友達と一緒に土地を買うスタイルだそうです。
戸建てを別々に建てるのですが、土地は一緒に買う。その方が安いからです。
そして街並みをそろえるために4家族で色をそろえたりするそうです。
刈内 一博刈内さん
コミュニティについて考えていくと、「シェア」という言葉がキーワードとして上がってきました。
そこから新しい住まい方、暮らし方に発展していく感じがします。
次回は「シェア」をテーマにしませんか?
全員口々に
いいですね! 楽しみです。
PDJ-Lab #03 第2部 PDJ会議