眠りたくても眠れない不眠症の患者が、ここ4年間で2倍近くに増えている。不況などによるストレスが原因と指摘される。
韓国健康保険審査評価院は19日、2007年から11年までの診療データを分析した結果、不眠症の患者は同期間で20万7000人から38万3000人に増加したと発表した。年平均の増加率は16.7%。男女別では、男性患者が約37%、女性が約63%と、女性が2倍近く多い。また、年代別(11年基準)では50代以上が65.6%と最多を占める。不眠症患者の10人に6人以上が50代以上ということになる。
ソウル睡眠センターのハン・ジンギュ院長は、不眠症の増加について「5年前からの世界的な不況で、昼夜を問わず働き、ストレスが増えている人が多くなったせいとも考えられる」と話した。また「1日中パソコンや携帯電話のディスプレーを見て光の刺激を受け続け、脳が疲労して眠れないケースもある」と説明した。
高麗大学安山病院・睡眠障害センターのシン・チョル教授は「不眠症の患者は社会が複雑化し、目まぐるしく変化するようになって以来、着実に増加を続けている。原因の90%以上はストレスだが、不況のため心配事が多くなったことが影響している可能性もある」と話している。
健康保険審査評価院は、特に女性の不眠症患者が多い理由について「韓国人女性は育児や家庭生活、仕事によるストレスが多い上、年齢に伴い体や心が男性より顕著に変化するため、より深刻なストレスを受けやすい」と説明した。不眠症の予防に向け▲昼寝をやめる▲就寝・起床時間を決め、そこから2時間以上外れないようにする▲たばこや酒、コーヒーなど睡眠の妨げになるものをできるだけ控える▲毎日少しでも日光を浴びる―などのアドバイスをしている。