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スポーツ報知大阪版>コラム>辛坊治郎のこれでいいんかい!?

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大津いじめ自殺問題…教育委員長の姿は?

 皆さん知ってますか? 教育長と教育委員長は違うんですよ! え? 知ってる? ああ、そうですか。それならいいんですがね。知ってるなら、必ず疑問に思うはずです。「なんで、この男しか出てこないんだ」って。例の大津市の教育長の話です。

 大津市の市立中学校で、「いじめ」というより「暴行」「恐喝」「器物損壊」などの犯罪行為が行われて、その一連の犯行の後に被害者だった1人の少年が自殺しました。もちろん、第一に責任を負うべきは「暴行」の加害者となった少年たちですが、それはひとまず置いておくとして、どうにも我慢ならないのが、周辺の大人たちの行動です。

 何より教育現場が、「事件」がこうして社会的問題になるまで、「少年が自殺したのは事実だが、なぜそうなったのかは分からない」と言い続け、あろうことか、勇気を奮って何があったかを伝えようとした子供たちの声を握りつぶしたのは許せません。これについて教育現場の責任者として、マスコミに顔を出して語っているのは、目下のところ大津市教育長だけですが、これはおかしな話なんです。

 教育長というのは、5人いる大津市教育委員の1人ではありますが、総責任者である教育委員長ではありません。教育委員会は、「委員の合議で物事を決め」「その決定に従って、教育長が実務を行う」ことになっています。それなのに、総責任者の教育委員長は今に至るも、影も形も見えません。いったいこれはどういうことか?

 日本中の教育長のうち7割くらいが教師出身です。つまり、長年教師をやって最後にその町で実務者の頂点として教育長になるんです。これに対して、他の教育委員は、大方、町の名士が名誉職としてやってます。

 本来、教育委員会というのは、市民の付託を受けた委員たちが、政治の力をはね返して公正中立に仕事をするためにつくられました。ところが現実には、先生たちが、「政治からの独立」を武器に、教育現場を支配するツールに使われてるんですね。その揚げ句に起きたのが大津市の出来事です。

 皆さん、「先生による、先生のための、先生の教育現場」を保証するのが、現在の教育委員会制度なんです。こんな組織要りますか? 委員会で必要なのは、読売テレビ系「そこまで言って委員会」くらいなもんじゃないですか?((株)大阪綜合研究所代表)

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(2012年7月18日07時40分  スポーツ報知)

筆者略歴  辛坊 治郎(しんぼう・じろう)

1956年4月11日、鳥取県・米子市生まれ。56歳。早大法学部卒。80年、読売テレビにアナウンサーとして入社。ニューヨーク駐在員、報道局解説委員長などを歴任し、2010年9月末で退社。現在はフリーキャスター、芦屋大学客員教授、自身が設立したシンクタンク「大阪綜合研究所」代表。家族は妻と2男1女。

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