香川マンＵデビュー５分！観客沸かせた名刺代わりスルーパス

　◆プレシーズンマッチ　アマズル０─１マンチェスターＵ（１８日、南アフリカ・ダーバン）プレミアリーグの名門マンチェスターＵに入団した日本代表ＭＦ香川真司（２３）が１８日、アマズル（南アフリカ）とのプレシーズンマッチで実戦デビューした。ベンチスタートとなったが、後半４４分に交代出場し、ロスタイムを含めて約５分間プレー。短い時間ながら惜しくもオフサイドとなるスルーパスを通し、観客を沸かせた。試合は１―０でマンチェスターＵが勝った。

　後半３９分。アップを終えた香川がピッチサイドに立つと、南アのマンＵファンで埋まったダーバンのスタジアムがどよめいた。注目のファーストタッチ。ＤＦからのパスを受け取って反転すると、すぐにＤＦライン裏へＦＷベルバトフを狙い、電光石火のスルーパスを送った。わずかにオフサイドと判定されたが、名刺代わりのワンプレーでスタジアムを沸かせた。

　想定外続きのデビュー戦となった。「香川はチチャリート（ＦＷエルナンデス）と先発するだろう」とファーガソン監督から前日会見で予告されていたが、初戦はベンチから見学させるつもりだったようで、先発メンバーからは外れた。ところが、エルナンデスが足をつり、状況は一変。後半３６分に慌ててウオーミングアップへ向かった。後半３９分にピッチサイドに立ったが、プレーがなかなか切れず、５分間も待ちぼうけを食らった。

　ファーガソン監督は「エルナンデスの足がつったから香川を入れた」と説明。「多分、次の試合で先発させる」と、２１日に行われるアヤックス・ケープタウン戦での先発を再度、予告した。

　来月８日まで、世界５か国を巡る総行程３万２８５５キロのプレシーズン世界ツアー初戦。欧州選手権に出場した大半の主力は、今ツアーに帯同していない。ルーニーらとのコンビを熟成させる機会こそないが、ＤＦファーディナンド、ＭＦスコールズ、ＦＷエルナンデスといった各ポジションのキープレーヤーは、メンバーに入っており「マンＵのサッカー」を寝食を共にして吸収できる貴重な機会になっている。

　香川は今ツアーへ向け「自分の力を証明することが最初の仕事」と話していた。この日のボールタッチは３度。後半４８分、最後のプレーではショートコーナーを受け、ゴールを横切るようなドリブルからスルーパスを狙った。５分間の初舞台。本領発揮には短すぎる緊急デビュー戦。２１日に仕切り直しの先発デビューを果たす。