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復旧へ大きな力 ボランティア、延べ6千人

[2012年07月20日 14:36]

(上)作業に向かうボランティア=20日午前11時ごろ、竹田市玉来(下)竹田市の水害で復興支援のため、現地入りした佐伯市連合消防団員=19日、竹田市総合運動公園

 大分県豪雨で甚大な被害を受けた中津、日田、竹田の3市では連日の暑さの中、県内外のボランティアが泥のかき出しや家具の運び出しなどに汗を流している。平日の人員不足や、長期支援の在り方といった課題はあるが、東日本大震災でも注目されたボランティアへの関心は高く、これまでに6千人近くが活動。被災者には独居世帯や高齢者が多く、大きな役割を果たしている。

 中津市では5日からの2週間で、県内外の延べ1785人が、要請を受けた民家に入った。隣近所が軒並み被害に遭った下郷地区の朝吹忠史さん(74)は「体力的にも限界。ボランティアの力は大きい」と感謝する。ギャラリーを営む井上マサ子さん(71)は「住宅ではないし、親戚や友人に短期間に2度も手伝いを頼むのは心苦しかった。ボランティアの方が手を貸してくれた」と話した。
 「長期にわたる復興を見据え、ボランティアに頼りすぎずに地域力で乗り切りたい、という声もあり、支援のバランスに苦慮した」と市社会福祉協議会。「片付けが落ち着いてからは精神的ケアも必要となってくるだろう。車を流された人たちの移動支援なども考えなければ」とも言う。
 日田市災害ボランティアセンターは一応のめどがついたとして、20日までにニーズを洗い直し、22日にはセンターとしての作業は終えたい考え。4日から延べ約2800人が約270世帯で活動。「十分に募集の広報ができなかったにも関わらずたくさん集まってくれた」とする。
 一方、竹田市では、いまだに新規の要請が続いており、ボランティアが足りない状況。これまでに延べ1240人が参加している。大分市の会社員栗林晃さん(35)は「竹田には友人もおり、会社の仲間と入れ替わり休みをとって、できる限り手伝いたい」と話した。

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28年前からの絆 佐伯市連合消防団が竹田を支援
 大分県豪雨で被災した竹田市に災害ボランティアとして、佐伯市連合消防団(児玉輝彦団長)の団員約50人が連日入り、復興を支援している。28年前に竹田市の祖母山で遭難した旧上浦町の女子中学生を救出した際、竹田市消防団の協力があったことや、市町村合併以前から旧町村単位で地域間交流を続けてきたことが支援に結び付いている。
 支援は17日から21日まで。佐伯市の団員が交代で現地に入り、泥を運び出す作業などで汗を流している。
 佐伯市消防本部などによると、旧上浦町(現佐伯市)の女子中学生が、1984年8月5日に祖母山で遭難し、15日後の20日に無事見つかった。竹田市消防団は捜索などに当たった。
 合併以前、旧上浦町は旧荻町(現竹田市)と姉妹町を締結。合併後も上浦町の名所、豊後二見ケ浦の男岩と女岩を結ぶしめ縄の材料となる稲わらの提供を荻町から受けている。旧米水津村(現佐伯市)と旧久住町(現竹田市)も姉妹町村として小学生の交流などを続けていた。
 佐伯市連合消防団の児玉団長は「祖母山の遭難の際の協力はよく覚えている。今回の災害は思いのほか被害が大きい。できるだけ力になりたい」。竹田市消防団の都築員守(つづきかずもり)団長は「これまでの市民同士のつながりが、このような大きな支援につながり心強い」と感謝している。

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