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労組・日本プロ野球選手会(新井貴浩会長=阪神)は20日、大阪市内で臨時総会を行い、来年3月に開催される第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に不参加の方針を全会一致で決議した。選手会は主催者のWBCインク(WBCI)に、代表チームのスポンサー権及び関連グッズのライセンシング(商品化)権を求めてきたが改善されず、苦渋の決断を下した。既に参加表明している日本野球機構(NPB)は説得にあたる構えだ。
選手会がWBCに「NO」を突きつけた。総会後に会見を行った新井会長は、あくまで野球界の未来を見据えた決議であったと強調した。「僕たちももちろん出場したい。ただ(来年)3月の大会のことだけでなく5年後、10年後を考えたら、出場しないという苦渋の決断を選択せざるを得なかった」。「苦渋の決断」という言葉を3度使い、苦悩のほどを表現した。
新井会長の口調には、主張が受け入れられない悔しさがにじんだ。「日本代表のスポンサー権、ライセンシング権が本来、代表の権利であるにもかかわらず、それが戻ってこないということに尽きる」。今後、WBCから接触があれば考え直すのか、との質問には「今の段階で主催者側からまたアプローチがあるとは考えられない。投げたボールが返ってこない状態が1年間続いた」と話した。
スポンサー権、商品化権は、五輪やサッカーW杯などでは参加各国の権利として認められるものだ。しかし、WBCではこの権利を、大リーグ機構(MLB)と同選手会が共同出資する主催者のWBCIにすべて譲渡しなければならない。ファンの応援グッズになるレプリカユニホームひとつ作るにも、侍ジャパンのロゴ入り携帯ストラップを作るにも、WBCIの許可が要る、という不自由な状態が背景にある。
例えば、前回の大会スポンサー・日本マクドナルドは、日本代表を応援するクリアファイルを作製して店舗で配布していた。しかし、このグッズ作製に支払う商品化権料は、日本代表ではなくWBCIの収入。09年大会では、約16億円の収益が得られたが、大会のスポンサー収入の約70%が日本企業からのものであり、それが日本代表に還元されないシステムはおかしい、というのが、選手会の言い分だ。
新井会長は一方で、11月に開催される侍ジャパンの強化試合、キューバ2連戦には予定通り参加する意向を表明。今後はWBCに代わる新たな国際大会の設立も視野に入れている、とも明かした。
今回の選手会の決議に、WBCIの母体となるMLB日本事務局は、静観の構えを見せた。大会の概要は固まりつつあり、日本は1次ラウンドでキューバ、中国と同組に入り、2次ラウンドでは東京ドームが会場のひとつになることも決まっている。事務局関係者は「NPBと選手会の問題であって、MLBと選手会の問題ではない。ライセンスの問題に関しても新井会長の方に誤解があるのではないか」と冷静に対応。あくまで日本の“内輪の問題”との認識を示した。
既に出場を表明しているNPBは、選手会の決定を受け、球宴第1戦が行われた京セラドーム内で12球団代表者会議を行い、速やかに説得に動く方針を確認した。8月1日に選手会と協議することを決定。トップ選手が「日の丸」を背負って出場する野球の国際大会は他にないだけに、WBCの持つ意義の大きさについても、さらに訴えていく考えだ。
(2012年7月21日06時00分 スポーツ報知)
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