まずは我々とともに、史上初のタイムトラベル実験に挑むことを決意してくれた君たちを歓迎する。
世界屈指の我が研究所の研究員を目指すということは、少なからず自分が量子力学に秀でた人間であるという
自負が君たちの中にあるのだろう。
しかし、、、だ。
タイムトラベルという未知の領域に挑む我々に必要とされるものは、量子力学の知識だけではない。
いま目の前に見えるものを疑い、見えないものから真実を導く能力。 意味のないようなモノやコトから閃きを感じるセンス。
机上だけではなく、自ら行動して情報を得る実行力。時には自身が持つ運や勘が、とても重要なプロセスにつながることもある。
そして、これは俺からの忠告だ。いくら解答に自信があっても、その答えを見直すことを忘れるな。
研究に肝心なことは、正しい最後のピースをつなげて、真の答えを導くことにある。
当研究所が求める研究員は、その全てを見極めることができる人材だということを理解してもらいたい。
君たちが当研究所の研究員としてふさわしいかを見極めるために、今回の試験問題は、私が作成させてもらった。
正答率100%の合格者の中から、更に選ばれし1名の主任研究員には、これからの活躍に期待を込めて、
研究助成金100万円を進呈しよう。
研究もいよいよ最終局面を迎えつつある。ぜひ君たちの力を貸してくれ。では、健闘を祈る。
(採用試験責任者:天才物理学者 新道究悟博士)

主任研究員 1名(研究助成金1,000,000円進呈)※
一般研究員 不定
高重力場による疑似的ブラックホール外周領域の形成および
中性子(バンチ)投下後の波動計測・検証
シフト制 ① 8:00〜16:00 ②16:00〜0:00 ③ 0:00〜8:00
週休2日(シフト制)、夏期休暇5日間(シフト制)、年末年始休暇7日間(シフト制)
有給休暇(初年度5日間)、慶忌休暇、産前産後休暇、育児休暇
※ 実際の授与額は所得税を差し引いた95万円となります。

帝都大学が政府支援のもとに設立した、世界に誇る高重力場研究所。高重力場を用いた量子力学や量子化学に基づく最先端の研究が行われている。国家戦略と密接に関係したプロジェクトにも携わっている。
高重力場研究所最深部にある「マレット式タイムマシン」。新しく開発されたナノ結晶体シリンダーの屈折率変化を利用し、重力場で複数の高出力高安定のレーザーを螺旋状に回転させることで、擬似的ブラックホールの外周領域を形成することができる。
現在、中性子を投下し、交流解釈による量子の時間を超越した波動の計測・検証が行われており、この実験が成功すれば、人類史上初のタイムトラベルが実現することになる。