全勝を守り、気合いの入った表情を見せる白鵬=愛知県体育館
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◇名古屋場所<13日目>
(20日・愛知県体育館)
白鵬(27)=宮城野=は粘った末に把瑠都を上手投げで仕留め、日馬富士(28)=伊勢ケ浜=は魁聖を簡単に押し倒して、ともに無傷の13連勝とした。2人が21日もともに勝って全勝を守ると、史上初の横綱・大関による千秋楽全勝対決となる。3敗同士の大関対決は稀勢の里が琴奨菊を寄り切った。鶴竜は琴欧洲を上手出し投げで破って7勝目。先場所優勝の旭天鵬は13連敗となった。
怪力の把瑠都を力で封じ込めた。白鵬は右四つがっぷりになりながらも、把瑠都の強烈な引きつけをしのぐ。「チャンスがあれば」。取組時間が1分半に差しかかろうとしたとき、そのチャンスが巡ってきた。
「うまく上手が伸びたから、体を開いて、すかさず」。左上手を一閃。把瑠都の巨体を投げた。
これで13連勝。目標の史上最多となる9度目の全勝優勝へ14日目は稀勢の里、そして千秋楽は日馬富士との対戦が決まった。白鵬と日馬富士がともに14日目に勝てば千秋楽で全勝対決が待っている。
「いいこと。ボクは慣れてますから。自分の相撲を取るだけ」。過去8度の全勝優勝を手にしている横綱は揺るがない。取組前の控えで、日馬富士が魁聖を豪快に押し倒す相撲を見せつけられても「何日か同じ状況がある。慣れたものがあります」と気を取られることはなかった。
「場所中は楽しみがないですね」という。DVDで映画を見るくらいだが、その代わり場所後はメリハリをつけてリラックスする。
昨年秋場所後はタイ旅行に行った。今年も香港・マカオに旅行。かつては「インドに行ってみたい」と話したことも。タイ旅行では「セミを食べた。ポテトフライかせんべいのような味」。何より「自由だね。それがよかった」。横綱のことをよく知らない人がいるところへ行く。「それが今後やっていく息抜きかな」と話す。
残り2日間。ここ、愛知県体育館では横綱を横綱として期待を抱くファンのため、極限まで集中力を高めて臨む。 (岸本隆)
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