デルピエロ　来日即カシマで練習

　「東日本大震災復興支援　２０１２Ｊリーグスペシャルマッチ」（２１日・カシマ）の前日練習が２０日、カシマスタジアムで公開で行われた。招待選手として出場する元イタリア代表ＦＷアレッサンドロ・デルピエロも参加。来日直後ながらミニゲームでも全力プレーを見せ、練習後には約２０００人が集まった募金活動に協力するなど復興を願う思いを体で表現していた。

　詰めかけたファン約２０００人の前に、デルピエロは笑顔で現れた。「参加できることは大変幸せで名誉に思う。（被災地の）みなさんのため、力になりたい」と意気込みを示した。

　この日早朝、約１２時間のフライトで来日。到着直後とあって、最初は別メニューでの調整だったが、途中からミニゲームに参加すると、守備に体を張るなど手抜きは一切なかった。世界的なストライカーの真摯な姿勢に、ＦＷ柳沢は「下がって守備をしたり、日本人より真面目にやっていた。自分より年齢が上なので、準備とかいろいろ見たけど学ぶところが多い」と感心しきりだった。

　「あってはいけないこと（震災）から１年以上たったが、あのときテレビなどで見た悲惨な光景は覚えている。日本を励ましに来た。復興のために一生懸命頑張っている人に楽しんでもらえるようなプレーをしたい」。練習後には募金活動にも参加し、ファンからのサインの求めに丁寧に応じた。「長いキャリアを通じて、応援してくださった方に、サッカーを通してありがとうを言いたい。試合では私の役割の１１０％を出す」。感謝の気持ちと、復興支援の思いを込め、全力でプレーすることを誓った。　（相原俊之）