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【サッカー】

杉本 サプライズ返上弾

2012年7月21日 紙面から

感触を確かめるようにドリブルするFW杉本=英国・パッキントンで(松岡祐司撮影)

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 【パッキントン(英国)松岡祐司】ロンドン五輪に臨むサッカー男子日本代表はきょう21日、英国・ノッティンガムで行われる国際親善試合で、メキシコ五輪代表(北中米1位)と対戦する。本大会前最後の強化マッチで、FW杉本健勇(19)=C大阪=が狙うのは3試合連続の「サプライズ返上弾」。絶好調のチーム最年少ストライカーは「チャンスはある。貪欲に狙っていきたい」と先発切符獲得へ意欲満々だ。20日午後は当地で、調整練習を行った。

 脇役から主役への最終試験。サプライズ選出した指揮官の意をくみ、杉本は「やれることをやるだけ」と腹をくくった。直前練習ではクロスからのフィニッシュに時間を割いた。チームと自身の課題が重なり、狙いが明確だから力みもない。

 「(チームも自分自身も)クロスに対して、ニアに入るのが弱いので、ニアに強く入る。以前はファーに回ることが多かったけど、自分がニアでつぶて、こぼれたところを(他の選手が)決めきればいい。もちろん、自分でも決めたいし、狙っていきます」

 大迫の選外を疑問視する声、自らに向けられた懐疑的な視線を杉本は十分すぎるほど感じ取っていた。そこから始まったゴール量産劇。この覚醒は決して偶然ではない。

 「火がつくと本当に強い男。悔しさを力にできるヤツなんです」。C大阪下部組織のコーチ、清水和男氏は「まな弟子」をそう評した。

 清水氏によると、杉本は「相手が強いほど力を発揮できる」という強気な番長タイプだ。苦境、逆境でこそ、体に眠る財宝のような潜在能力が存分に引き出されるといい、「『なんで大迫が外されて健勇が入ってんねん』っていうときこそ、余計に燃えている。もてはやされているときより、そういうときの健勇の方がハングリーで面白いんです」

 09年のU−17W杯では王国ブラジルからゴールを奪った。今春からは五輪選考で後がない重圧をバネに東京Vで躍動した。ここぞの勝負どころでエネルギーを解放できる男だ。新天地での3カ月半で自らと向き合い、体重は「5、6キロ減って78キロ」と体もキレキレ。柔和な笑みが初々しい杉本の血管は、力強く脈打っている。

 

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