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【大リーグ】

イチロー 逆風一掃!! “カモ”相手に2戦連続マルチ

2012年7月21日 紙面から

ロイヤルズ戦の9回、左前打を放つマリナーズのイチロー=カウフマン・スタジアム(共同)

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◇マリナーズ6−1ロイヤルズ

 【カンザスシティー=ジョン・ヒッキー】“カモ”相手に逆風一掃だ−。マリナーズのイチロー外野手(38)は19日(日本時間20日)、当地でのロイヤルズ戦に2番右翼で先発出場。5打数2安打で2試合連続マルチ安打をマークし、チームの勝利に貢献した。2安打とも左腕から左方向へ放ち、久々の手応えをかみしめた。ロイヤルズの本拠地では打率3割7分2厘の高い数字を残し、同球団との対戦打率もア・リーグ球団でトップの3割6分5厘。最もバットが振れる環境を踏み台に完全復活を遂げ、周囲の雑音を封印した。

 イチローが左腕相手に技ありの一打ならぬ“2”打を披露した。まずは5回。先発スミスの4球目、93マイル(約149キロ)の直球をとらえ、左翼線へ二塁打をはじき返した。9回には3番手ブエノのスライダーを左前に運んだ。いずれも外角球を逆らわずにおっつけた巧打だった。

 これまでは左投手のスライダーやカット系のボールを引っかけては凡打を繰り返していたが、「あれがずっとやりたかった」。いずれの安打も得点につながり、18日の“猛打賞”と合わせて2試合で5安打の固め打ち。自然と表情も和らいだ。

 実はロイヤルズと相手本拠地のカウフマンスタジアムはイチローにとって最高の組み合わせだ。対戦打率3割6分5厘(397打数145安打)はア・リーグ球団では最も高い数字で“カモ中のカモ”。自軍本拠地セーフコフィールドでも通算3割2分の好成績を残すが、カンザスシティーでは56試合で3割7分2厘(231打数86安打)に跳ね上がり、ア・リーグ本拠地ではオリオールズのオリオールパークに次いで2位。そのうち33試合でマルチ安打を記録するなど本拠地以上に“庭”と化している。

 この日はナイター翌日のデーゲームで試合開始時の気温は36・7度に達し、試合途中には40度を超えた。38歳のベテランには厳しい環境となったが、8回の守備では太陽光に重なった飛球を一時見失いながらも「途中までの感覚」に従って捕球するなど、攻守でイチローらしさを見せた。

 今季は5年契約の最終年。成績もいま“イチ”な中、来季以降の去就をめぐり、グラウンド内外が騒々しいが、「カモ&庭」を踏み台に復調気配。このままV字回復を果たし、契約更新に批判的な全ての雑音を一掃する。

 

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