山口知事選:オスプレイ保守王国直撃 上関原発是非も争点
毎日新聞 2012年07月20日 01時43分(最終更新 07月20日 05時05分)
選挙戦で、三輪氏は「安全性への疑念が払拭(ふっしょく)できない」、山本氏も「県民の暮らしの安心と安全を守る目線から、県民の不安が除去されない限り反対」と主張した。唯一、高邑氏は「搬入を受け入れた上で、地元の不安を払拭するよう政府と米軍に対策を求めていく」と訴えている。
山口県上関町で計画されている原発新設計画も争点に浮上してきた。計画は昨年の東京電力福島第1原発事故の後、予定地の海面埋め立て工事が中止され、事実上の凍結状態。飯田、三輪両氏はさらに強め、「白紙撤回」を主張している。
一方、山本、高邑両氏は「凍結」で、将来の計画再開に余地を残す。山本氏は3月の出馬表明時、上関原発計画について明確な態度表明を避けていた。しかし、脱原発をうたう飯田氏が出馬を表明すると、「脱原発依存は当たり前。上関原発計画は凍結」と強調し始めた。
政権与党当時、上関原発計画を推進してきた自民党は、選挙戦で脱原発などの批判の矢面に立っている。飯田氏らが支持を広げれば、「既成政党」対「第3極」の構図になりかねない。自民党幹部は「山本氏が対立候補に追い上げられている」と警戒感を募らせている。