集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕されたが、不起訴処分となった京都教育大(京都市)の男子学生ら4人が大学を相手取り、2009年3月の無期停学処分(11年9月解除)の無効確認などを求めた訴訟の控訴審判決が20日、大阪高裁であった。西村則夫裁判長は「教員を養成する大学として裁量の範囲内」として処分を有効と判断。無効とした一審・京都地裁判決を変更した。
昨年7月の一審判決は「学生らの言い分を十分に考慮しなかった」と処分を無効とした。しかし西村裁判長は、事件では女性の同意は認められるものの、飲酒による判断力低下が推測されると指摘。「将来教員となる可能性が高い学生らは分別の不十分な女性の軽率さに乗じず、教え、諭すだけの高い倫理観や高潔性が求められていた」と、処分の妥当性を認めた。
一方、09年6月の不起訴後も大学のホームページに事件をめぐる記載を続けた点は「集団準強姦を行った、との誤った印象を与える」などとして、一審と同じく各10万円の慰謝料を支払うよう大学に命じた。