教師、いじめ認識せず 校長会見、けんかと判断 大津中2自殺
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、生徒が亡くなる前に担任らがいじめを疑っていた可能性をめぐり、生徒が通っていた学校の校長が14日、記者会見した。担任ら複数の教師が自殺の6日前に開いた協議の場で「いじめの疑いを検討していく」などの意見が出たにもかかわらず、短絡的にけんかと結論付けて、いじめを見落としたことを謝罪。「いじめとはっきりとは認識していなかった」などと説明した。
校長によると、担任がいじめの指摘を受けたのは計2回。生徒が昨年10月5日に校内のトイレで暴力を受けた直後に確かめると、生徒は「今日は嫌だった」などと打ち明けたという。しかし、いじめだと伝えてきた女子生徒への聞き取りや当時トイレにいた複数の生徒には確認をしないまま、いじめではないと判断していた。
同日夜に開かれた協議の場では、担任や学年主任ら5、6人の教師が参加。担任がけんかの詳細を報告し、ほかの教師からは「けんかはいじめにつながる」などの意見が出たという。しかし、校長は、その場で出た意見は「あくまで一般論だった」として、亡くなった生徒への暴力については「教師が誰一人、いじめとは疑わなかった」と主張した。
校長は「いじめに対する問題意識が形骸化していた」と釈明し、「いじめを認めたくなかった訳ではない」と強調した。
【 2012年07月14日 23時53分 】