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【社会】

10歳児の告訴能力認定 名古屋高裁支部

 未成年の姉妹への準強姦(ごうかん)罪などに問われ懲役十三年の判決を受けた男(42)の控訴審判決で、名古屋高裁金沢支部(伊藤新一郎裁判長)は三日、当時十歳だった妹の告訴能力を認めずに強制わいせつ事件一件を公訴棄却した一審富山地裁判決を破棄し、審理を富山地裁に差し戻した。

 強制わいせつ罪は、被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪。控訴審判決は告訴能力を十歳女児に認めた。名古屋高検金沢支部の検察官は判決後「画期的な判決。告訴能力が認められた年齢としては、最も幼いのではないか」と述べた。

 伊藤裁判長は判決理由で「告訴は、捜査機関に対し、自己の犯罪被害事実を理解し、申告して犯人の処罰を求める意思を形成する能力があれば足りる」と指摘。告訴の結果生まれる利益や不利益を理解する能力が必要とする立場には、否定的な見解を示した。

 その上で「当時十歳十一カ月の小学五年生で普通の学業成績を上げる知的能力を持った妹が、被害状況を具体的に申告した上で、犯人として男を特定して処罰を求める意思を申告したのだから、告訴能力を備えていたと言うべきだ」と判断。知的障害により知的能力が七、八歳程度の成人被害者の告訴能力が認められた判例に触れ「理解できる」とした。

 一審判決などによると、男は昨年四〜六月、交際していた女(39)=準強姦ほう助罪などで懲役四年=の娘二人に富山市のホテルで乱暴するなどした。男は十五歳だった姉への準強姦事件と傷害事件の計三件、妹への強制わいせつ事件二件で起訴された。

 

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