ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

大津・中2自殺 担任ら、いじめ認識か

 大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が昨年10月、いじめを苦に自殺したとされる問題で、担任ら複数の教諭が、自殺6日前の同月5日、男子生徒と加害者とされる同級生らとの間のトラブルを認知し、いじめの可能性を疑っていたことが、市教委への取材でわかった。市教委や学校はこれまで「男子生徒が亡くなるまで、いじめの認識はなかった」と説明していた。

 市教委によると、昨年10月5日、校内のトイレで同級生が男子生徒を殴り「やり返してこなければ、もっとひどいことをするぞ」と挑発。このため男子生徒も殴り返したという。

 目撃した女子生徒から連絡を受けた学年主任と担任は、同級生と男子生徒から事情を聞いた結果、2人とも暴力を振るったことから、けんかと思い、双方に謝罪させた。その後、男子生徒に「大丈夫か」と尋ねたところ「大丈夫。仲良くする」と答えたという。

 しかし、担任らは女子生徒らから「あれはいじめ」との指摘を受け、以前にも同様の情報があったため、この時点で「いじめの可能性もある」と判断。同月11日に当事者から事実確認を行う予定だったが、同日朝、男子生徒は自宅マンションから飛び降り、亡くなった。

 昨年10月の生徒を対象にした全校アンケートでは、男子生徒への暴力や金銭要求、嫌がらせなどがあったとする回答のほか、「教諭らが(いじめを)見て見ぬふりをしている」といった回答が複数寄せられていた。しかし、いじめについての教諭の認識については、伝聞情報だったことや、事実が確認できなかったため、学校側は詳しい調査をしていなかった。

 こうした経緯は、学校と市教委とも昨年12月までに把握していたが、以後、確証は得られなかったとして「いじめがあったという認識はない」という説明を繰り返してきた。

 市教委幹部は14日、報道陣に対し、「いじめがあったとの認識はなかった」との見解について「『いじめの確証がない』という意味で使ってきた」と説明した。

2012年7月14日  読売新聞)
現在位置は
です