財務省PCにサイバー攻撃か7月20日 16時36分
財務省のおよそ120台のパソコンがコンピューターウイルスに感染し、保管されていた情報が外部に流出した可能性があることが分かり、財務省は、サイバー攻撃を受けた疑いもあるとして感染の原因などを調べています。
財務省によりますと、システムの更新に伴って省内のサーバーなどを点検していたところ、今月になって、財務省の職員のパソコンおよそ2000台のうち、123台がコンピューターウイルスに感染していたことが分かりました。
感染したのは「トロイの木馬」と呼ばれる種類のウイルスで、サーバーの通信記録を調べたところ、おととしの1月から去年の11月にかけて、パソコンに保管されていた情報が、このウイルスによって外部に流出した可能性があるということです。
財務省は、流出した可能性があるのは職員が作成した会議の資料などで、国税関係の個人情報や防衛上の機密情報は含まれていないとしています。
「トロイの木馬」型のウイルスは、メールなどによって送られてくることが多いことから、財務省はサイバー攻撃を受けた疑いもあるとして、流出した情報の確認を急ぐとともに感染の原因を調べています。
このウイルスを巡っては、去年、衆議院や総務省などのパソコンが相次いで感染し、情報が流出した可能性があることが明らかになっています。
“国の対策不十分”
国の機関のコンピューターウイルスへの感染を巡っては、去年、衆議院や総務省などのパソコンで相次いで発覚し、対策の強化が図られてきました。こうしたなか、財務省のパソコンが2年以上にわたってコンピューターウイルスに感染していたことについて、専門家は国のセキュリティー対策が不十分だと指摘しています。
サイバー攻撃に詳しい、慶応義塾大学の武田圭史教授は「今回のウイルスは、去年国会などで感染が相次いだものと同じタイプだということだが、このウイルスであれば特に高度な手口ではなく、国の機関が長年感染に気づけないのは大きな問題だ。ウイルスに感染したままのパソコンは、財務省以外の省庁にも潜んでいる可能性が高く、セキュリティー対策が不十分だと言わざるをえない。また、民間企業や大学などでも同じ状況が考えられることから、国はウイルスの情報を広く公開して、感染したパソコンがないか、徹底的に調査するべきだ」と話しています。
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