原発事故賠償基準:「足らない」「再建の弾み」が交錯
毎日新聞 2012年07月20日 21時56分(最終更新 07月20日 22時29分)
一方、浪江町大堀から二本松市の仮設住宅に家族6人で避難中の山田セツさん(80)は「早く仮設を出て一戸建ての家を買いたかったけど、賠償では足りないだろう」とため息をつく。自宅周辺は帰還困難区域になる見通しで、全損扱いにはなるが、築年数は43年で残存価値は低く算定される可能性が高い。「大事に手入れをしてきた家だが、たいした賠償額にはならないだろう」と賠償によるマイホーム再建はあきらめている。
双葉町から埼玉県加須市に避難している高岡治雄さん(65)も「震災前と同じ環境を作って、生活を再スタートできる金額なのか」と不安を口にした。【井崎憲、泉谷由梨子、蓬田正志、大平明日香】