原発事故賠償基準:「足らない」「再建の弾み」が交錯
毎日新聞 2012年07月20日 21時56分(最終更新 07月20日 22時29分)
「要望に応えてくれたものと評価している」。福島県富岡町の遠藤勝也町長は、賠償基準に安堵(あんど)の表情を見せた。帰還困難区域▽居住制限区域▽避難指示解除準備区域の3区域に再編される案が示されている同町は、事故から6年たっても帰還しないことを決めている。どの区域でも不動産を一律全損扱いにするよう求めていたが、基準はこの通りとなった。遠藤町長は「移住まで考慮しておらず不満」としたものの、「これで生活再建がスピードアップする」と、年内をめどに再編作業に入る意向を示した。
95%が帰還困難区域になる見通しの大熊町の渡辺利綱町長も、家財の賠償基準で再編区域ごとに差がついたことを「できれば同じ金額が理想だった」としながらも、「生活再建のために大きな意味を持つ」と話した。