原発事故賠償基準:「足らない」「再建の弾み」が交錯
毎日新聞 2012年07月20日 21時56分(最終更新 07月20日 22時29分)
家具や電化製品など家財道具の賠償額は、一般の家庭にある物品を想定して一律の額を設定、世帯人数に応じて額を増減させる。夫婦2人だと、帰還困難区域で595万円、居住制限区域と避難指示解除準備区域は445万円。これをベースに、帰還困難区域では大人1人につき60万円▽子供(18歳未満)1人につき40万円、その他2地域では大人45万円▽子供30万円をそれぞれ加算する。
賠償額は従来、文部科学省原子力損害賠償紛争審査会の指針に基づき、東電が具体化してきた。今回は「被害者の生活再建に重要。東電に任せるのは適当でない」(枝野幸男経産相)として、政府が自治体と協議して基準を策定した。
◇首長らは歓迎
福島県内の首長は「住民の生活再建につながり、避難区域再編に弾みがつく」とおおむね歓迎する一方、古里から離れた土地でのマイホーム再建も視野に入れる住民からは「転居に必要な賠償はしてもらえそうにない」などと不満の声も漏れた。