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2012年7月20日金曜日

GEM-1製品版、雑記

ども、例によってブログは放置していたベノワ様です。
GEM-1に関しては、個人的に満足しているし、誰もが買えるアンプでもないので感想自体の需要が微妙なので、どうしようかと思っていたけど一応書いときます。
「~の事」シリーズではなくて、雑記バージョンだけど。

さて、ついにファーストロットがリリースされたGEM-1ですが、僕の手元に届いてエイジングも一区切り付いた感もあるので感想を。
まず最初に書きたいことは、プロトタイプとは、別物と言っていいレベルのブラッシュアップが行われているということ。
もともと、空気感を伝えるのが得意な繊細なアンプではあったが、聴感上のS/N比や解像度に関しては、もっと優れたアンプがあったかと思う。
ところが、製品版では悪い意味でウォームと感じた部分が、非常にすっきりとしていて情報量やS/N比に関しても、ぶっちぎりで良くなった。
特に、情報量の増加がうるさくなるのではなく、より繊細に音楽を伝える方向に作用している。分離も良いので、音が団子になって飽和することもない。
情報量の多い割には、濃すぎる感じもなく、集中して聞き込めば、どんどん音が掘り出せるし、ながらで聴いてもうるさくなることはない。
音のバランスも変わっており、ややボーカルが引っ込む印象だったが、よりフラットでボーカルがキチンと前に出てきている。低音の沈みも、高音の伸びも良くなった印象だが、これは上流のKLIMAXに負うところが大きいかもしれない。ただ、逆に言えばKLIMAXの音に力不足になることなくアンプリファイしているということだと思う。
音場の表現も、極めて秀逸で、近くの小さい音と、遠くで鳴っている小さい音が、ほどよい距離感を持って分離して聞こえる。音の奥行き、幅ともに(それなりのヘッドホンを使えば)かなり広いと言っていい。
そして、ヘッドホンの特徴が出過ぎる感があるのは相変わらずなのだが、いわゆる相性問題に関しては、かなり改善されている感がある。
プロトタイプを聴いた時点では、「ものすごく良いけど、ピーキーすぎていじりにくい。かなりヘッドホンを選ぶので、これ1台では運用できないな。」と思っていた。
ところが、製品版では明らかに不得手であった密閉型のヘッドホンでも、ご機嫌な音で鳴らしてくれる。手持ちの中では、TH900との相性は抜群だ。
TH900の基本性能の高さが、しっかりとGEM-1 KLIMAXの音の受け皿になってくれている。
そして、必ず比較に出てくるD7000だが、正直TH900には一歩譲る。D7000独特の濃い空間は健在なのだが、解像度的に上流に着いていけない感がある。
ただ、プロトタイプの時のように、特徴が出過ぎて聴けないという状態ではない。
GEM-1に関しては、「味付けが強いアンプだ」という意見を散見するが、個人的にはアンプの味付けが強いのではなく、ヘッドホンの特徴が過剰なまでに出過ぎてしまうのではないかと思っている。
そして、ヘッドホンの特徴を十分以上に引き出すことは、決してアンプの味付けではないと思う。
製品版では、「十分以上」という部分が「十分に」に近づいている。とはいえ、やや過剰という感は免れない。
ただ、GEM-1のみで運用で、問題ないと考えMBA-1Pは手放した。
比較的GEM-1と相性の悪いヘッドホンであっても、MBA-1Pの音を軽く凌駕していたので。
総じて、プロトタイプで不満であった点がなくなり、気に入った点が進化しているという文句の付けようのないブラッシュアップとなっている。
現時点では、さらに価格が上がってしまい、生産台数の問題もあるため、なかなか入手のハードルが高いアンプではありますが、苦労をしてまで手に入れる価値のあるアンプだと思います。

ではでは

P.S 島さんに「絶対にみんなに聴いて欲しいアンプだから、年間100台ぐらい作ろうぜ。」とオファーしてきましたが、一言「無理。」との事でしたw

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