琴奨菊を押し出しで下し、史上最速の横綱400勝を達成した白鵬(右)
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◇名古屋場所<12日目>
横綱白鵬(27)=宮城野=と大関日馬富士(28)=伊勢ケ浜=が全勝を守り、追っていた2敗力士がいなくなったため、賜杯の行方はこの2人に絞られた。
白鵬は2敗だった大関琴奨菊を押し出し、日馬富士は鶴竜との大関対決を上手投げで制した。鶴竜は4連敗で6敗目。もう1人の2敗だった平幕魁聖は臥牙丸に敗れた。
稀勢の里は3敗の大関同士の対戦で把瑠都を押し出した。大関琴欧洲は小結妙義龍を突き落とし、勝ち越しを決めた。
優勝へ突き進んでいる白鵬に、また1つ新たな記録が生まれた。琴奨菊を押し出して史上最速の横綱400勝を達成。
「この名古屋でね、年に1回の場所だし、大きな数字を達成できてよかったかな。記録は励みになる」と振り返った。
ただし、400勝はあくまでも通過点。「今場所のテーマ」と言ってはばからない、史上最多となる9回目の全勝優勝に焦点を合わせている。
互いに譲らない日馬富士とは千秋楽に対戦することが濃厚となった。本来は稀勢の里との対戦が組まれるが、鏡山審判部長(元関脇多賀竜)は「想像がつくだろう?」。審判部の朝日山親方(元大関大受)も「なきにしもあらず。最後にいい取組をつくることを審判部として心掛けている」という。
白鵬も望むところ。千秋楽の結びで「久しぶりに、いいものを味わってみたい。朝青龍関との結びの決定戦とか、今思うと興奮感とか感動があった。特別な考え方をしてもらってありがたい」と期待に応えるつもりだ。
「ボクも夏男と思ってたけど、もう1人、夏男がいましたね」。真の夏男を決める日まで、あと3日。 (岸本隆)
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