練習中にMF金崎(右)と激しい勝負を繰り広げるグランパスのMF田鍋=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのMF田鍋陵太(19)が19日、ロンドン五輪代表で離脱中のFW永井の“ピンチヒッター”に名乗りを上げた。14日の仙台戦(豊田ス)でJリーグデビューを飾った新星が、レギュラー不在という千載一遇の好機を生かそうと燃えている。
チームにとってはピンチでも、田鍋にとっては大チャンスの到来だ。最近6試合で6ゴールを挙げ、逆襲の立役者になった永井は英国へたった。加えて、FWケネディは仙台戦で右膝を痛めて全治2週間の診断が下った。長期離脱中のFW玉田も含め、前線の大黒柱3人が同時にいなくなるという緊急事態。若手攻撃陣に待望の出場機会がめぐってきそうだ。
田鍋は「永井さんがいない今、このチャンスをものにできるかどうかが勝負」。堂々と“ピンチヒッター”へ立候補した。
入団時には5チームが争奪戦を繰り広げたスーパールーキーも、層の厚いグランパスではベンチに入ることすらままならなかった。「こういう経験も財産になる。サッカー選手としてもっと成長できる」。練習中は田鍋と同じくスピードを武器にする先輩・永井のプレーを観察。地道に力を蓄えてきた。
6月末には左太もも裏を肉離れし、U−19日本代表として参加する予定だったU−22アジア選手権予選を辞退。「もやもやはたまっていた」と言うが、大会へ参戦していれば出られなかったはずの14日の仙台戦でついにJ初出場を飾った。「こんな形で出られるとは。出場時間が少ない中でもドリブルとスピードは見せられた」と田鍋。成長の手応えを実感できた。
永井の帰国は五輪の結果次第では8月半ばまでずれ込む。プロの壁に阻まれていた大器が実力を示すときがきた。
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