事件【中2いじめ自殺】いじめの証拠、開示はまれ 満足な証拠得られず裁判で不利に+(1/2ページ)(2012.7.15 21:14

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【中2いじめ自殺】
いじめの証拠、開示はまれ 満足な証拠得られず裁判で不利に

2012.7.15 21:14 (1/2ページ)いじめ問題

 大津市の中学2年の男子生徒が自殺した問題は、両親が市や同級生らを相手取って起こした民事訴訟を契機に、いじめの実態や学校側のずさんな対応が明るみに出た。ただ、こうしたケースはごく一部にすぎず、満足な証拠を得られないまま、訴えが退けられることも少なくない。司法関係者は「証拠を集めやすくする仕組み作りが必要だ」と指摘する。

 大津市のケースは今年2月、両親が大津地裁に提訴。市教委はいじめの存在を認めながらも、自殺といじめの因果関係を否定したが、裁判を通じ「いじめ」の実態に関する全校生徒へのアンケート結果の全容など、詳細な証拠が次々と明らかになった。

 学校の対応に批判が集中すると、市は態度を軟化。市長は非を認めて和解の意向を示し、市議会では一般傍聴人に異例のアンケート公表も行われた。

 ただ、こうしたケースはまれだ。埼玉県北本市の中学1年の女子生徒の自殺をめぐり両親が市などに損害賠償を求めた訴訟では今月9日、「自殺原因がいじめとは特定できない」として、東京地裁で訴えが退けられた。

 女子生徒は「死んだのはクラスの一部に勉強にテストのせいかも」と記した遺書を残していた。「きもい」と悪口を言われ「靴隠し」などの嫌がらせにもあっていた。だが、市側は「犯人捜しのようなことをすると、人権保護団体からクレームが来る」として詳細な調査を行っておらず、裁判でも最後まで決定的な証拠は得られなかった。

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