生徒4人から飛び降り迫られる7月20日 18時1分
ことし4月、埼玉県草加市の中学校で、男子生徒が同級生に強要されて校舎の2階から飛び降り、大けがをした問題で、市の教育委員会は、この生徒が、5日前から当日までに合わせて4人の生徒から、繰り返し飛び降りるように迫られていたことを明らかにしました。生徒の母親は、いじめは以前から続いていたとして実態を解明するよう求めています。
草加市の中学校では、ことし4月、2年生の男子生徒が、校舎2階の高さ3メートルほどのひさしから飛び降り、腰の骨などを折る大けがをしました。
草加市の教育委員会は、20日、男子生徒が、現場で2人の同級生から飛び降りるよう迫られ、いじめが原因だったとして、大けがをした生徒と保護者に謝罪したことを明らかにしました。
市の教育委員会によりますと、この生徒は、大けがをする5日前に、同じ現場で同級生から「俺が飛び降りたら、おまえも飛び降りろ」と迫られ、このあと同級生が2階のひさしから飛び降りたということです。
その後、この生徒は「飛び降りないならお金を持ってこい」と強要されたり、肩をたたかれたりし、大けがをした前日と当日には、ほかの3人の同級生も加わって飛び降りるよう繰り返し迫られていたということです。
草加市教育委員会の高木宏幸教育長は、記者会見で、男子生徒が大けがをするまで、いじめに気が付かなかったと説明し、「被害者と家族には大変、申し訳なく思っている。日常的に生徒たちの状況の把握に努め、いじめ問題が拡大することがないよう、学校と一丸となって取り組んでいく」と述べました。
一方、大けがをした生徒の母親は、NHKの取材に対し、「同じ生徒らに小学生のときからいじめを受けていた」と話し、ほかにも日常的ないじめがなかったか、さらに調査するよう学校に求めたことを明らかにしました。母親は「学校には配慮してほしいと言っていたのに今回のことが防げず悔しい。学校が適切に対応していれば防げたと思う。もっと調査をして真実を明らかにしてほしい」と話しています。
生徒が大けがの直後から調査
草加市教育委員会によりますと、いじめについては、男子生徒が大けがをした直後から学校が調査を進め、5月には県教育委員会にも報告していたということです。
それによりますと、中学校では、男子生徒が大けがをした直後に、学級の担任がクラスで聞き取り調査をした結果、2人の生徒が飛び降りを強要していたことが分かり、その後、事態を重くみて、全校でアンケートを行ったということです。その結果、飛び降りを強要していた生徒がほかにも2人いたことが分かり、学校は緊急の学年集会を開いて、いじめについて指導するとともに、5月にはいじめがあったことを県教育委員会に報告していたということです。
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