(cache) 利殖勧誘被害防止へチェックシート作成　和歌山県警

利殖勧誘被害防止へチェックシート作成　和歌山県警

　未公開株や社債、外貨など金融商品への投資を勧誘し、お金をだまし取る利殖勧誘被害が今年に入り和歌山県内で急増している。それに対応するため、県警は金融機関の窓口で詐欺被害を確認するチェックシートを作成した。約１２００枚を銀行や信用金庫、証券会社の支店など県内金融機関の５５２店舗に６月下旬から配布している。

　県警生活環境課によると、利殖勧誘事案の被害は今年１月から６月末までに17件、被害額は２億９００万円。昨年の被害額は15件約１億３００万円だったから、今年に入り被害が急増している。

　高額の振込時には金融機関の窓口担当者が声を掛けるなどの対策で振り込め詐欺を予防しているが、最近は犯行グループが被害者に振り込み理由を偽るよう仕向けたり、振り込みではなく預金を払い戻させた後に郵送させたりするなど、手口が巧妙化している。

　そこで県警は利殖勧誘被害を防ぐため、金融機関の窓口で使うチェックシートを作成した。シートには犯行手口の内容を記載し、窓口で客に見せながら被害に遭っていないか確認できるようにする。

　具体的には、定期預金の中途解約や預金の高額引き出しの申請があった場合に▽自宅に社債や未公開株、外貨など投資案内のパンフレットが届いていないか▽高額での買い取りを申し出る第三者から電話勧誘を受けていないか▽業者から現金を小包で送るよう指示されていないか―などの確認項目を明記。犯行グループが勧誘に使ったパンフレットも掲載している。

　今年２月、田辺署管内で80代の女性が、信託受益権購入のもうけ話を持ち掛けられ、計５７００万円をだまし取られる事案が発生している。一人暮らしの女性宅に信託受益権購入を勧誘するパンフレットが届いた後、別の会社が購入額の３倍で買い取ると持ち掛ける手口だった。

　県警生活環境課は「シートには犯行手口を分かりやすくまとめた。『私はだまされていない』と感じている人でもチェックシートを示すことで被害を認識してもらえると思う。シートを被害防止につなげたい」と話している。

【未公開株や社債、外貨の購入など利殖勧誘事案の被害を防ぐため和歌山県警が作成したチェックシート】

(2012年07月18日更新)