私大バスケ部コーチ装い結婚詐欺

　結婚する意思がないのに、２０代女性に求婚して新婚旅行とマンション購入費用名目で１８３万円をだまし取ったとして、警視庁愛宕署は１８日までに、東京都世田谷区の無職・福地正行容疑者（３７）を詐欺の疑いで逮捕した。福地容疑者は、有名私大の職員でバスケットボールのコーチをしているなどと言って女性を信じ込ませていたという。同署には同様の被害相談が複数あり、インターネット上には「福地正行被害者の会」という匿名投稿サイトが立ち上がっていた。

　愛宕署によると、福地容疑者　が女性と出会ったのは、昨年７月に都内で行われたお見合いパーティー。「三澤幸太」と偽名を名乗り「有名私大で職員をしている」「大学のバスケ部でコーチをしている」などと話したという。身長１８０センチ以上、体重９０キロ以上ある堂々とした体格は、結婚願望が強い女性を信じ込ませるには十分で、意気投合したという。

　８月には「ドイツへの新婚旅行に行こう」と誘い「大学の講師も務めているので忙しくて旅行には行けない。その代わりいいホテルに泊まろう。５６万円を立て替えてほしい」と自分の口座に振り込ませた。さらに９月下旬には「一緒に住もう。マンション購入代金の頭金１２７万円を立て替えて」と振り込ませた。福地容疑者からの貴金属などのプレゼントはなかったという。

　福地容疑者を両親にも紹介した女性はすっかり信用していたが、昨年暮れ、マンション購入など結婚話が全く進展していないので不審に思い、同署に届け出た。携帯電話は年が明けても通じたが、のらりくらりとごまかし続けていたという。

　福地容疑者は同様の手口で婚活女性をだまし続けていた疑いが強い。ネット上には「福地正行被害者の会」と題した投稿サイトが２００９年に立ち上がっていた。

　そのサイトには「下北沢の女子高の教諭をしている」「学校の時間割を見せて信用させた」「４００万円だまし取られた」「（私の）被害は６００万円」「エセ関西弁をしゃべっていた」など２０人以上の被害が、匿名で報告されている。偽名や偽の勤め先は複数用意し、偽名での銀行振り込み口座も持っていたという。被害総額は数千万円に上る恐れもある。

　愛宕署では他の被害女性からも事情を聞き、余罪を追及している。

（2012年7月19日06時02分スポーツ報知）