[月刊チャージャー]

バックナンバー 2007年2月号
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【調査】まずは疑って係!/外務省&大使館に聞いてみました 「外国人犯罪者」って、逃げ得じゃないの?
 
外国人犯罪についての素朴な疑問
安心して住める日本にしていくために、まずは僕ら自身がこの問題を知り、興味をもつことが第一歩。そこで、外国人犯罪者の引渡し条約や代理処罰について、外務省、中国大使館、ブラジル大使館に素朴な疑問をぶつけてみた。この問題に関係の深い「国」の考え方を知り、考察を深める手がかりにしたい。
※質問と回答はほぼ原文のまま紹介する。
ブラジル大使館に聞いてみました
【質問】
ブラジル人による日本国内での犯罪が増加しています。ブラジルとして、どのようにお考えですか。また何か対策などは講じていますか?
ブラジル大使館【回答】
奇妙なことに、大使館が入手しているデータはそのような事実を示していない。実際に増加しているのは報道機関が取り扱っているブラジル人関連の事件の件数だと思う。ブラジル政府は犯罪を予防し、阻止する最も重要な手段は教育だと考える。大使館では2007年にも引き続きこの事を重点的に取り扱う予定である。日本国内のブラジル人学校に一層の便宜を獲得し、更にはブラジル人子弟および若者が日本の公立学校に就学できるように取り組んでいく。
【質問】
日本と「犯罪人引渡し条約」を締結すると、ブラジルに何か不利益があると考えられますか。また、日本との同条約締結について方針などがあれば教えてください。
【回答】
2003年6月に一回領事問題調整会議が両国間で開催された。両国間の関係を深める事の重要性を認識したブラジル政府は日本政府に5件の二国間合意の調印を申し入れた。5件の中には犯罪人引渡しならびに年金に関する合意が含まれている。残念ながら、今日までこれ等の合意に関する交渉に進展が見られないで居る。犯罪人引渡しに関する合意については、ブラジル憲法が自国民の引渡しを禁止している点を指摘するのが重要だと思われる。これにより、両国間で犯罪人引渡し条約を締結しても在日ブラジル人が日本国内で犯罪を犯して本国に逃亡した事例に対しては効果を発揮しない。日本と犯罪人引渡条約の交渉を開始することに関しては、ブラジルはオープンな立場を取っている。しかし、同時に年金に関する交渉も進展する事を期待している。年金に関する合意は日本で暮らす30万人のブラジル人就労者にとって極めて重要である。これによって、日本で働いた年数をブラジルの年金に通算することが可能になる。
【質問】
ブラジルは現在、ほかのどのくらいの国と「犯罪人引渡し条約」を締結しているのですか?
【回答】
ブラジルは現在アルゼンチン、豪州、ベルギー、ボリビア、チリ、コロンビア、韓国、エクアドル、スペイン、米国、フランス、イタリア、リトアニア、メキシコ、パラグアイ、ペルー、ポルトガル、英国、スイス、ウクライナ、ウルグアイ、ベネズエラの22カ国と引渡し条約を結んでいる。
【質問】
ブラジルが代理処罰を受け入れる条件のようなものはありますか。また、日本国内で犯罪を犯した自国民に対する、処罰の方針のようなものはありますか?
【回答】
可能である。ブラジルの法律は海外で犯罪を犯した自国民の国内に於ける訴追を認めている。これは二国間条約の有無を問わない。そのためには日本政府がブラジル政府に、類似事件に対する相互主義適用の条件の下に、公式に訴追を要請し、刑事訴訟に関する全ての資料をポルトガル語に翻訳してブラジル側に提出しなければならない。現在、刑事訴追に関する二件の日本側の要請がブラジル国内で審理中である。
【質問】
こうした問題について、ブラジル側の立場からのご意見やコメントがあればお聞かせください。
【回答】
本件に関して、ブラジル政府はいわゆる「逃げ得」を最も強く忌み嫌う立場をとっている。前の問いに対する答えで二件の訴追に関する審理が進行中だと指摘した。このことは、刑事分野で二国間の合意が存在しないにもかかわらず、日本に協力する用意のあるブラジルの立場を明白に示す何よりの証左である。
中国大使館に聞いてみました
回答なし




1月17日にブラジル大使館への質問とほぼ同じ内容の質問書を送付。23日を回答期限に「回答を準備する」という返事をいただいたが、26日になっても回答がなく、最終的に「時間がないので回答できない」と連絡があった。
外務省に聞いてみました
【質問】
日本が「犯罪人引渡し条約」を多くの国と結ばない理由はなんでしょう。また、今後より多くの国と条約を締結する計画はありますか?
外務省【回答】
逃亡犯罪人の不処罰(「逃げ得」)を許さぬよう、今後、より多くの国との間で犯罪人引渡条約の締結を前向きに検討していきます。

他方、どのような国との間でも犯罪人引渡条約を締結すれば逃亡犯罪人問題の解決になるとは言えません。犯罪人引渡条約の締結に当たっては、我が国から引き渡された者の基本的人権の保護についても検討が必要です。例えば、条約により相手国に引き渡された日本人が、相手国で公正な裁判を受けられないまま有罪判決を言い渡されたり、劣悪な環境の刑務所で受刑することとならないよう留意することが必要です。(編集部注※死刑制度がある日本との条約締結に消極的な国があるとも言われている)

現在、我が国は米国及び韓国との間で犯罪人引渡条約を締結しています。また、ブラジルに対しては、個別事件について国外犯処罰の要請を行うとともに、犯罪人引渡条約の締結を目指した協議の場を立ち上げることを提案しているところです。

なお、相手国によっては、我が国と同様に、犯罪人引渡条約を締結しなくとも、相互主義に基づいて引渡しを実施することが可能な法制をとっている場合も多く、これまでもそのような国との間では、条約を締結することなく逃亡犯罪人の引渡しを行ってきています。
【質問】
たとえばブラジルや中国との場合、自国に帰国した犯罪者に対して、日本では国としてどのような対処ができるのですか?
【回答】
相手国の法律上、外国で起きた犯罪を裁くことができる場合には、犯罪人引渡条約を締結しているかいないかに拘わらず、我が国から捜査資料を相手国政府に提供する等して、国外犯処罰を要請することができます。また、それぞれの国と我が国との間では、国際刑事警察機構(ICPO)ルートや外交ルートを通じた捜査協力及び情報交換を行うことができます。また、ブラジルについては前述のとおり個別事件について対応するとともに、犯罪人引渡条約の締結を目指した協議の場を立ち上げることを提案しています。
【質問】
「代理処罰」はなぜ難しいんでしょう? また「代理処罰」を要請するためにどのような手続きが必要なんですか?(編集部注※「代理処罰」は正式な法的用語ではないため、回答では「国外犯処罰」となている)
【回答】
国外犯処罰の要請とは、外国に対して、個別の事件ごとに、我が国で犯罪を犯した外国人を自国の国内法に基づいて処罰するよう、外交ルートを通じて申し入れるものです。外国が我が国の代理として処罰を行うことを求めるものではありません。したがって、実際に処罰を行うか否かについては、あくまでも処罰の要請を受けた国が自国の関係法令等に従い、主体的に判断するものです。

各国は、国外において犯された犯罪のうち、いかなる犯罪を国外犯として処罰することができるかについて、それぞれ自国の法律によって定めています(我が国では、刑法第2条から第4条2で規定されています)。したがって、我が国がある国に国外犯処罰を要請しても、その国の国内法によっては国外犯として処罰できない場合もあり得ます。

国外犯処罰の要請は、要請先の外国との交渉を通じて行われます。この際に、外国での捜査で使用されるべく、犯罪に関する情報や証拠を提供することもあります。
【質問】
外国人による重大事件が増えている現状の中、外務省、国として何か具体的な対策や法整備などは行われていますか?
【回答】
政府としては、平成15年9月、「世界一安全な国、日本」の復活を目指し、有効適切な対策を総合的かつ積極的に推進するため、「犯罪対策閣僚会議」を設置しました。同会議は、同年12月、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」を策定しており、外務省としては、この中の重点課題の一つである「国境を越える脅威への対応」に関連して、犯罪等を企図する問題外国人の入国を阻止するため、査証審査の厳格化や体制強化、外国関係機関との連携強化等に取り組んでおります。
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