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| 生活の中で見過ごしがちな「素朴な疑問」を、月刊チャージャー的に問題提起するシリーズ企画。今回は「外国人犯罪者引渡し条約」に注目してみた。なんだそれ? って人も多いと思うが、端的に言ってしまうと、日本国内で人を殺したヤツが、出国してしまうと逮捕さえされずに逃げ得ってこと。少子化やボーダレス社会の到来で、永住資格のない外国人が日本に住み、働くことは当たり前の時代。平和に暮らしていきたい日本人にとっては「知らない」じゃ済ませられない大問題だ。いったい、どうなってんの? |
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福岡県福岡市で、家族4人が殺害された。首を絞めて殺害された4人の遺体は博多湾で発見。犯行に使用した手錠やダンベルは被害者宅に近い量販店で購入されており、店内の防犯カメラには犯人の姿が。中国人留学生3人による犯行だった。
犯行グループのうち、楊寧と王亮の2人はすでに中国に帰国していたが、中国当局の協力によって逮捕、起訴。楊寧被告は一審で死刑判決。控訴棄却によって刑が確定し、2005年7月には死刑執行。王亮被告は無期懲役が確定。日本で逮捕された魏巍被告は一審で死刑判決。現在控訴中。 |
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【こりゃ大変だぁ!】
来日外国人による犯罪が急増。
在留資格をもたない来日外国人の増加に伴い、そうした外国人による犯罪は急増中。平成18年度版『犯罪白書』によると、来日外国人による一般刑法犯検挙件数は最近5年間だけで81.5%も増加しているのだ。 |
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静岡県浜松市のレストラン店内で、経営者が殺害されて、店にあった現金4万5000円が奪われた。深夜まで営業していた店内で、手を縛られて意識を失っている経営者を妻が発見。病院に運ばれたが死亡した。ブラジル国籍のアルバレンガ・ウンベルト・ジョゼ・ハジメ容疑者は、事件の4日後にはブラジルに帰国してしまった。
2007年1月17日の報道で、静岡県警捜査本部が日本政府を通じてブラジルに「代理処罰」(これは捜査用語で正式には国外犯処罰という)を求めたことがわかった。日本がブラジルに代理処罰を求めたのは、1999年に同じ浜松市で起きた「女子高生死亡ひき逃げ事件」に次いで2例目。 |
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【こりゃ大変だぁ!】
「引渡し条約」と「代理処罰」
日本が「犯罪人引渡しに関する」条約を締結しているのは、アメリカと韓国の2カ国だけ。そのほかの国については、外交ルートを通じて引渡しを要請することになる。ところが、ブラジルでは憲法で自国民の「引渡し」を禁止しているため、ブラジルに帰国した被疑者には手が出ない。
そこで注目されるのが「代理処罰」だ。日本からの要請でブラジル(外国)の当局が事件を捜査、被疑者を検挙して裁く犯罪捜査手法のこと。実情としては代理処罰すら、ことにブラジルとの間ではなかなか実現しなかった(日本から要請しなかった)が、犯罪被害者らのねばり強い活動によって、今まさに、少しだけ状況が変わりつつあるようだ。 |
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| 静岡県湖西市内の交差点で、母親が運転し2歳の女児が後部座席に乗った乗用車に、左から来た軽自動車が衝突。乗用車は横転し、後部座席の女児が車から投げ出されて死亡した。衝突した軽自動車を運転していたのは、ブラジル国籍のフジモト・パトリシア容疑者。当初はこの容疑者も自分側の信号も青だったと主張していたが、捜査中に突然一家揃ってブラジルに帰国して、日本から姿を消した。 |
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【こりゃ大変だぁ!】
国外逃亡する外国人被疑者の急増。
たとえ罪を犯しても、日本から出てしまえば「得」するケースが多いのが現実。引渡し条約がなく、最近までは代理処罰を要請する前例すらなかったブラジル人は、まさに「逃げ得」だったのだ。ちなみに、国籍別の国外逃亡被疑者数で、ブラジルは86人で中国(281人)、アメリカ(135人)に次いで第3位。逃亡先の国では、中国が174人でトップ。ブラジルは76人で2番目に多い。 |
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