自殺した男子生徒が通っていた大津市の中学校で２０日、終業式が行われた。学校への強制捜査という異例の事態に発展し、在校生や保護者の間には今も動揺が広がる。受験は、部活は、楽しい思い出は…。さまざまな不安を抱え、生徒らは夏休みを迎える。
午前９時から始まった終業式には在校生ら約８６０人が出席。講話の中で校長は「みなさんに不安な思いをさせ、不信感を与えてしまったことをおわびします」と謝罪した後、生徒の前に教員を並ばせて「かけがえのない命が失われたことは悔やんでも悔やみきれません。今、できることは早く正常な学校に戻すことです」と訴えた。
一連の問題が大きく報道されて以降、学校は爆破予告で臨時休校になったり、カッターナイフの刃が入った封筒が届いたりするなどの混乱や被害が相次ぎ、終業式の前日も敷地の周囲を警備員が巡回する状況が続いた。
２０日も学校周辺には多くの報道陣が集まり、生徒らは一様に硬い表情で登校。生徒からは「受験勉強に集中したい」「夏休みは楽しく過ごしたい」といった声が多く聞かれたが、「いじめの話はもう聞きたくない」と訴える生徒もいた。
滋賀県警は夏休みに入るのに合わせ、早ければ２１日から在校生や保護者らから任意で事情聴取を始める。登校に付き添った３年の女子生徒の保護者は「警察に何を聞かれるのかと、娘はずっと不安がっている。親としては、騒ぎが一日も早く収束することを願うばかりです」と話した。