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在日韓国人など日本国籍を有しない者の公立学校の教員への任用について


印刷用ページを表示する 掲載日:2011年3月1日

在日韓国人など日本国籍を有しない者の公立学校の教員への任用について

平成3(1991)年3月22日 文教地第80号
各都道府県・指定都市教育委員会あて 文部省教育助成局長通知
(文部省通達集より抜粋)

 「日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定」(昭和41年1月17日発効)第2条1の規定に基づく日本国に居住する大韓民国国民(以下「在日韓国人」という。)の法的地位及び待遇に関する協議(いわゆる日韓三世協議)は、本年1月10日別紙1のとおり両国外務大臣が「覚書」に署名し、決着したことであります。
公立学校の教員採用については、覚書の記の4にあるとおり、在日韓国人について、教員採用への途をひらき、日本人と同じ一般の教員採用試験の受験を認めることとするとともに、公務員任用に関する国籍による合理的な差異を踏まえた日本国政府の法的見解を前提としつつ、身分の安定や待遇についても配慮することとされています。
 ついては、貴教育委員会におかれては、下記事項に留意しつつ、在日韓国人など日本国籍を有しない者について、平成4年度教員採用選考試験から公立の小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園(以下「公立学校」という。)の教員への採用選考試験の受験を認めるとともに、選考に合格した者については、任用の期限を附さない常勤講師(以下「この常勤講師」という。)として任用するための所要の措置を講ずるよう適切に対処願います。
 おって、貴管下市町村教育委員会に対しても周知方お願いします。

1 公立学校教員採用選考試験について
 今回新たに日本国籍を有しない者について受験を認めることとする教員採用選考試験は、各教育委員会において例年実施している通常の公立学校の教員(一般職の地方公務員として正式任用される教員)の採用選考試験として、日本人と同一の基準で行うものであり、日本国籍を有しない者について別途特別の採用選考試験を実施するものではないこと。 
 なお、従来、これらの採用選考試験を教諭のみの採用を目的として実施してきている教育委員会にあっては、この常勤講師への採用を含めた教員採用選考試験と改められたいこと。

2 任用する職について
 政府は、従来から、「公務員に関する当然の法理」として「公権力の行使又は公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とする」ものと解しており、公立学校の教諭については、校長の行う校務の運営に参画することにより公の意思の形成への参画に携わることを職務としていると認められることから、「公務員にする当然の法理」の適用があり、日本国籍を有しない者を任用することはできないものとされている。(昭和58年4月1日付け外国人の公立小・中・高等学校教員任用にする質問に対する答弁書…別紙2参照) 
 覚書の記の4の「公務員任用に関する国籍による合理的な差異を踏まえた日本国政府の法的見解」は、上記の我が国の政府見解である「公務員に関する当然の法理」を意味するものであること。
 しかしながら、公立学校のこの常勤講師は3で述べるように「公務員に関する当然の
法理」の適用がある職とは解されないので、在日韓国人などに日本国籍を有しないものを任用することが可能であること。

3 講師の職務について
 講師は学校教育法第28条第10項で教諭(又は助教諭)に準ずる職務に従事するとされている。教諭の主たる職務は同条第6項で「教諭は児童の教育をつかさどる」とされているが、一般的に教諭の職務を大別すれば主として児童・生徒の教育指導に従事することと校長の行う校務運営に参画することの二つの要素があると考えられる。このうち、講師(教諭に準ずる講師)は、普通免許状を有しており、授業の実施など児童・生徒に対する教育指導面においては教諭とほぼ同等の役割を担うものと考えられるが、校長の行う校務の運営に関しては、常に教務主任や学年主任等の主任の指導・助言を受けながら補助的に関与するにとどまるものであり、校務の運営に「参画」する職ではないと解される。
 したがって、講師は「公務員に関する当然の法理」の適用のある職とは解されないものであること。
 なお、このことは、この常勤講師が、学級担任や教科の担任となることなどを妨げるものではない。
 また、講師は主任に充てることはできない(学校教育法施行規則第22条の3第2項等)。

4 身分の安定等について
 日本国籍を有しない者で選考に合格したものについては、できるだけ安定した身分となるよう、一般職の地方公務員として任用の制限を附さずに正式任用される。すなわち定年まで働けるこの常勤講師に任用すること。なお、この常勤講師は、日本国籍を有しない者に限ること。
 また、給与その他の待遇についても、今回の覚書による決着の趣旨を踏まえ、可能な限り教諭とこの常勤講師との差が少なくなるよう、配慮されたいこと。

5 その他
 上記1から4までの取扱いは、所要の教員免許状を所持している者であれば在日韓国人を含めたすべての日本国籍を有しない者に対してもその効果は及ぶものであること。

* 別紙1,2省略