公衆浴場の約半数にレジオネラ菌 /ソウル

呼吸器疾患引き起こす恐れも

 ソウル市内の大型公衆浴場では2カ所に1カ所の割合で、呼吸器疾患を引き起こす恐れがあるレジオネラ菌が検出されたことが分かった。レジオネラ菌に感染すると呼吸器疾患であるレジオネラ症を発症する可能性がある。この病気は早期に治療すれば完治するが、肺炎に至ると適切な治療を受けられない場合は致死率が5-30%に達するという。

 ソウル市は今年4月から6月にかけて、大型ビルや公衆浴場、サウナ、総合病院の冷却塔水など284カ所の衛生状態を点検、検査対象となった公衆浴場59カ所のうち24カ所の水道の蛇口やシャワーなどからレジオネラ菌が発見された。総合病院55カ所中8カ所、サウナ25カ所中4カ所でも同菌が検出されている。

 同市保健政策課のモ・ヒョンヒ課長は「レジオネラ菌は25-45度のぬるま湯でよく繁殖する。公衆浴場の配管はレジオネラ菌が生息するのに好条件なので、今回多数発見された」と説明する。レジオネラ菌は汚染された水滴やほこりを介して感染するが、感染しても肺炎を伴わなければ5日程度で自然治癒する。モ課長は「慢性肺疾患・糖尿病・高血圧患者、喫煙者などは要注意だ」と指摘した。

 ソウル市はレジオネラ菌が検出された建物の清掃・殺菌消毒を指示し、後に再点検する方針だ。

 同市のキム・ギョンホ福祉健康室長は「レジオネラ症予防・管理強化のため、菌が検出された場合は過料を課す行政処分基準を新たに作成するよう、保健福祉部(省に相当)に提案した」としている。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者
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