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  東方愛妹悪魔 作者:ミネ
前話の最後で「次の話」と書いてしまいましたが、どうもバランスが悪くなってしまうため、この話の後編で書きます
シスコン悪魔、いっぱい驚かれる 前編
いちゃん・・・

ん?誰だ?

兄ちゃん・・・

あれは・・・葵?

待ってよお兄ちゃん・・・置いてかないで・・・

葵!お前を置いてくもんか!葵!

俺は遠くにいる妹、葵に向かって走ろうとする。だが、いくら走っても、いくら手をのばしても届かない。それどころか、段々離れていってしまう

おい!葵!!行くな!!

―――――――――――――

「葵っ!!」

俺はそこでベッドから跳ね起きた。俺の鼓動が耳をすませなくても高鳴っており、振り返って見てみると、シーツは俺の汗でバケツの水でもかけたような状態になっていた。

「・・・ほんと・・・朝から滅入るなぁ」

俺は昨日の夜に、朝起きたら外で散歩ならぬ散飛行(?)でもしようかと考えていたが、この夢のせいでそんな気分ではなくなっていた

ちなみに、昨日の夜食でフラン達は自分の能力を教えてくれた。ついでに美鈴さんやレミィ、パチュリーさんにも俺の能力を教えてあげておいた。それにしても、フランの『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』はチート臭がプンプンする・・・俺が言えることではないが

「ふむ・・・」

それで、朝食ができるまで寝ていてもいいが、俺はこの『振動を操る程度の能力』の応用方法を考えていた。

まず最初に『揺らす』。これは、地面を揺らして地震を起こしたり、昨日のように、物を高速に振動させて威力を上げることも出来る。

次に『止める』。これは揺らしたあとにその作用を止める役割しか果たしていなかったが、他の使い道を考えてみる

「何かあったっけなぁ・・・」

俺は色々な物事を想像してみた

音を消す・・・足音とか消せるのか?

そこで、試しにベッドから降りて能力を使わずに歩いてみた。

カタッカタッカタッカタッ・・・

フローリングの床を俺のスニーカーが叩く音がする。次に音を消すようなイメージで念じながら歩いてみた。

「『止まれ』・・・『止まれ』・・・『止まれ』・・・」

カッカッカッ・・・

能力を使っても足音はした。だが、少しだけ音が小さくなったような気がした。

「結構難しいな・・・」

それから何回かやってみたがどうしてもうまくいかない。

「・・・止めるのより揺らす方がイメージしやすいな」

そこで今度は揺らす場合の応用方を考えてみた

地震・・・高周波付与・・・ソナー・・・

「ソナー・・・って、できるのか?『揺れろ』」

俺は自分を中心にして空気を震わせてみた。そして、返ってきた振動を頭の中で地理として処理してみると

「・・・見える・・・見えるぞっ!!!」

何と、不規則な空気の揺れを感じると、勝手に頭が地図を作り出し、俺の頭の中に紅魔館の立体の地図が出来上がった

「さすが吸血鬼の先祖だ。すごいなこれ・・・。もういっちょ、『揺れろ』」

すると今度は俺の頭の地図が更新され、よりハッキリと見えるようになった

「『揺れろ』!『揺れろ』っ!!『揺れろ』ぉっ!!!」

今度は3連発でやってみた。何と今度はどのような人が、どこで、何をしているかが分かるようになった。

やべぇ、なにこれ!地震以上にハマった!俺は先程まで悪夢を見ていたとは思えないくらいにまでテンションが上がっていた

そして、空気を揺らし続けて30分。なんと、無意識にソナーが出来るようになった!!30分頑張ったかいがある

「ソナーはマスターしたから・・・次は・・・」

俺は上がりすぎていたテンションを下げるために他の応用方法を考えた

・・・そういえば最近何処かで振動って聞いたような・・・

「・・・なんだっけ?」

俺はそれを思い出そうとしたところで、ソナーに反応する物があった。空中に浮いていて小さい人影がこっちへ向かっていた。おそらくメイド妖精だろう。

地図をずっと見ていると、その小さい影は一つの部屋の前で止まり、ドアをノックした。それと同時に俺のいるこの部屋の扉がノックされた。

「高峰様、朝食の用意ができました」

「ああ、知ってるよ。今行く」

そして、俺はドアを開け、妖精についていった。その途中でこんなことを聞かれた。・・・まぁ、当たり前なんだが

「高峰様」

「ん?なんだい?」

「何故さっき私が部屋をノックした時に、「知ってる」と?」

「ああ、それはね・・・」

そこでソナーについて説明してやると驚き、

「高峰様にはいつも驚かされますね。」

微笑みながらそう返してきた。まぁ、俺、αだから。

そして食堂に着き、パチュリーさんや美鈴さん、そして、門番の妖精やメイド妖精と朝食を食べた。そして、食べたあとにパチュリーさん達にソナーについて話したら。呆れた顔をして

「・・・もう、驚くのには疲れたわ・・・」

と、言ってきた。こっちは驚かせたくてやってる訳じゃないんだけどなぁ・・・昨日の本棚は別だが

その後、少しだけ本が読みたくなったので、図書館へ行った。そして、そこで科学か何かの本を読んでみたところ

「ふむふむ・・・こ、これは・・・!」

原子の名前や記号の書かれた周期表を見つけた。それがきっかけで、朝食を食べる前、部屋で思い出せなかった事を思い出すことができた

「・・・分子は絶えず『振動』している。振動の大きさで固体、液体、気体へと姿を変える・・・これって・・・」

俺はいつの間にか図書館を飛び出し、門の前に来ていた。俺はそこで、途中、メイド妖精からもらった瓶を地面に置いた

「何をしているの?」

もちろん仕事なのでいるのだろうが、今はあんまりいてほしくない、美鈴さんがこっちに話し掛けながら歩いてきた

「危ないからね。離れてて。」

俺がいつもは見せない真面目な顔をしたので、美鈴さんは後ろに下がってくれた

「よし・・・『揺れろ』」

まず始めに、離れてから瓶を構成している分子の振動を大きくして、液体になるようにイメージして念じた。すると、瓶は真っ赤になってドロドロと溶けてしまった

「おお、成功か」

「えっ!?なにしたの!?」

後ろで何がなんだか分からないというような状態になっている美鈴さんを無視し、溶けた瓶にもう一度意識を集中させた。ここがこの実験で最も危ないところである

「ふー・・・っ。『揺れろ』・・・!」

俺は先程よりも強く念じた。すると今度は真っ赤であった瓶がスーッと消えていった。しかし、消えたわけではない

「えっ!?消えた!?」

・・・消えたわけではない。今、瓶は高熱の気体となっているのだ。

「美鈴さん、ちょっと離れてもらって良いですか?」

俺は美鈴さんに先程よりも強く睨んでみた。すると、少々怯え気味に遠くへ離れていった。・・・ちょっと怖かったかな?いや、今からやるのはそれくらい危ないからな。

「『震えろ』『震えろ』『震えろ』」

俺は新しく思い付いた念じかたで気体の瓶を加熱していく。するとその気体となっているところが赤くなっていった。そして、秋だとは思えないくらいの暑さが回りを包んだ。

「・・・暑いな・・・だがっ。ぬぬっ」

俺はその気体を一点に集めた。するとその瓶は直視出来ないくらいの光を放つ、球体、まるで小さな太陽のようなものができた。

「おりゃっ!」

俺は片手でリトル・サン(先程命名)をコントロールしながら片手で地面を殴り、深い穴を開けた。・・・俺怖い

「・・・こんなもんでいいかな?とうっ」

俺はアルビノの翼を羽ばたかせ、空中でホバリングし、

「とぅらぁぁぁ!!」

奇妙な掛け声とともにリトル・サンをその穴の中に入れる。そして、

「『鎮まれ』っ!!!」

また、新たに考えた念じかたで瓶の分子の一部の振動を止める。すると、凄まじい爆風と炎が穴の中から出てきた。俺は危うく吹き飛ばされそうだったが、何とか堪えた。

「ふーっ。成功・・・か。あ、大丈夫ですか?美鈴さん?」

俺は美鈴さんに空から近づいていった。しかし美鈴さんは開いた口が塞がらないという状況である。

「美鈴さん?」

「あ、あ、」

「危なかったじゃないのよ!」

「ぬおっ」

「あの穴を見てみなさいよ!」

ん?あの穴・・・?俺は土埃でさっきは見えなかった リトル・サンを爆破させたところを見てみる。すると、紅魔館ギリギリまでに、深いクレーターが出来ていた。

「わお・・・・なんていうか・・・わお」

「どうやったらこんなことになるのよ!?」

「ああこれはね・・・」

説明しよう!リトル・サンはとっても体積が大きくて、熱いのだ。それの一部を一瞬にして固体に戻すことにより、真空が出来る。そこに空気が入り、高熱のリトル・サンとぶつかって爆発したのである!なに?そんな簡単に爆発なんてしない?いいんです。ご都合主義万歳By作者

「っていう訳さ」

「作者って誰よ?」

「さあ?」

「・・・まぁいいわ。その穴は埋めといてね」

そう言って美鈴さんは疲れた背中を俺に見せながら紅魔館へ戻っていった。

俺はそのあと、せっせと土を運んでいた。そしてほんの5分くらいたった頃、

「あの・・・」

「はい?」

おそらく俺を呼ぶ声がしたので振り返った。
ご都合主義万歳


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